いつも ぼくは、工芸の外にいる



                                空の青より青く



                                     太い 輪郭



                                    揺らぐ白い雲



          水面に写り込む瀬戸内の空や雲。
          12月のオカズデザイン展(12/11~15)に向け、
          静かに揺らぐ水辺の光景を
          白漆のうつわに写し込んでみたいと思います。








ものづくりは、その土地の気候風土、
そしてその地方に生きる人々の暮らしぶりに影響されながら育っていくもの。
木曾の森で育った針葉樹で家具を作ったことも、
瀬戸内の陽光に感化され、揺らぐ水辺の光景を器の中に写し込むことも、
地場の力に感応しながら形作っているに過ぎません。
それが、ぼくの考える「地場」。
自分の力だけで脱皮できないぼくは、
旅を続けることでしか ものづくりを変えられないのかもしれません。























ARTS&SCIENCE ( 2020winter collection)


アーツ&サイエンスから2020年冬用のカタログが届きました。

(A&Sのホームページからもご覧いただけるかと思います)

前々から打合せていた白漆の珈琲缶(No 028:Coffee Jar)が掲載されています。

撮影日ぎりぎりに完成したため、
まだ価格も決まっておらず、価格はASKで表記。
(直径9㌢、高さ14㌢は、珈琲豆200g用)

アーツ&サイエンスの手にかかれば、
こんなに洗練された写真になるのか~~~と感心しながら
カタログの写真を拝見しました。
岡山の田舎者が、都会で洗練されて帰郷してきた!!!って感じ・笑




まだ田舎モノの頃の写真も掲載しておきますね。

(工房の窓辺にて、作者撮影)

シェーカー様式のお弁当箱

30数年前、シェーカーヴィレッジを訪ねた知人が、
「世界中で作られているシェーカーのコピー品について
どのように考えられていますか?」
とシェーカークラフツマンに質問したところ、
「真似されることについては問いませんが、
『シェーカーオーバルボックス』と呼べる品は 、
我々 シェーカー教徒が作ったものだけです」と応えたそうです。

シンプルな造形を求める僕に、シェーカーの習作を勧めてくれた
専門校の教官からも同じような内容を耳にしていた記憶があります。
以来、
シェーカーをベースにしたリ・デザイン作品であっても
品名には、敬意を持って「シェーカー様式」もしくは
「シェーカースタイル」と書き加えるように心がけています。


オーバルボックスを見て、
日本人の多くの方が頭に描く「曲げわっぱ」

美しい仕事が施されている「曲げわっぱ」を
見かける機会も減りましたが、
昔の職人によって作られた
わっぱの仕事ぶりには惚れ惚れしてしまいます。
檜(ヒノキ)の柾材を持ち運び易い形に曲げ、
天板&底板が収縮しても汁が漏れないような構造に。
継ぎ目には桜の皮や漆が使われ強度を保っています。

僕は、シェーカーオーバルボックスをリ・デザインして、
「わっぱ」に匹敵するお弁当箱を作り上げたいと思っています。
天然木の天板&底板が湿度によって収縮することで、
曲げた外枠と中にはめ込む板との間に隙間ができることを避けるために、
合板を使用しているシェーカー様式のオーバルボックスが増えているようですが、
洗われたり水に浸されたりするお弁当箱には、
水気に弱い合板を使うわけにはいきません。
それに、合板に頼るようなものづくりでは、
かつての「わっぱ職人」に笑われてしまいます。

合板を使用しなくても、
無垢材の収縮に対応できる日本人の考えた
伝統技法を用いて作った

       「シェーカー様式:漆のお弁当箱」
手間のかかる分、安価な値札は付けられませんが、
末永くお弁当の時間を楽しみにしてもらえる場面を願いながら
材料を厳選し、ひとつひとつ製作しています。

真心を込めて作られるお弁当に対して、
作り手の誠意が試される仕事になります。

色は、朱と赤の漆二色。
(食欲増進効果のある色合いに)

                                        上が朱色
                                        下が赤色

プラス


              白漆のお弁当箱もオーダーで受けています。

大きさは(中)と(小)

深さがあるので、女性には(小)で十分なのかも?

高校生男子用(重箱用)に(大)も作ります・笑



水が漏れないことから、

茶会用の水指を頼まれたことも。

ワインクーラーボックスとして使われたりもしているようです。
世の中には、
お洒落な発想のできる方がいらっしゃいますね。

工房のティータイム

ひとりでモノを作っていた頃は、
休みたい時に休めたけれど、
手伝いのスタッフや弟子が出入りするようになってからは、
工房の時間割りに従って一日が回ります。

午前中は12時まで休憩なし(まだ元気)。
お昼休みは、12:00~13:30
手の疲れてくる午後は、15:00~15:30のティータイム。



キラキラ光る杢(モク)を残したお皿を
使いたくなる日もあれば、

杢(自然)の美しさに劣らないように刷毛目を残した
お皿を並べたくなる日もあります。

                                 菓子皿を通して、日々の心の拠り所を探してみます。






ホールの仕事

彫刻家の仕事(鉄の脚部)を際立たせるために
できる限り木の加工を控え、

彫刻の痕跡をどこまで残せるのか?を自らに言い聞かせながら、
木の仕事に取り組みました。




受付カウンターの裏には、

正面から見えないよう、
座って仕事のできるデスクと椅子を収めています。

プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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