「徳利袴と温め酒」追加作品(非売品)

現在、東京福光屋(丸の内店)で開催中の「徳利袴と温め酒」展。
企画者からの提案で、
古物商(西原さん)から届いた紫檀の徳利袴に
僕が手を施した追加作品(2点)を届けました。



もともとの塗装をはがして、
麻布+漆で底の割れを留め、
生命の強さを表す縄文の朱を塗ってみましたが、
朱の強さだけでは真の強さ(生命力)を感じられなかったので、
はかなさを表す白を重ね、
「強さとはかなさ」に「生」のリアリティを求めてみました。


思っていた以上に
時間と労力を使ったため、
価格が付けられず、
「非売品」で出品させてもらうことに。


コースタータイプの一品は、外側に色付けしています。




今日は9月9日、「重陽の節句」
無病息災を願い、

そばちょこを袴代わりに、
福光屋のお酒をいただいております。

「無病息災」「無病息災」と
念じてるうちに、
ついつい徳利に手が伸びて、
酔っぱらわないように気をつけなくっちゃ・笑

野生酵母で発酵させたワイン

しゃぎり船が湾内を行き交う夏祭りも中止されていたので、
少人数で久々に集まることに。


大皿から取り分ける料理はご法度なので、
最初に料理を振り分け、
手酌でワインをいただきました。
最も、普段から手酌で飲むことの方が多いので、
もう、手慣れたもの・笑


ワインは、以前  市内の小さな本屋の店主から薦められていた

ココファーム・ワイナリーのワイン。
ここ最近続けて買った「プティ・マンサンF.O.S.」

自家畑のプティ・マンサンを
果皮や種と一緒に野生酵母で発酵させているそうです。

比較的買い易いお値段だったし(たしか、¥3400くらいだったかと?)、
肉料理に、とっても合う気がします。
(ワインに詳しくないので、「気がします」で許して下さい。)

以前は、フランスやイタリアのワインを飲む機会が多かったのですが、
ここ最近、本当に美味しいワイン作りに挑むワイナリーが増えたので、
進んで日本のワインを買うようにしています(応援してます)。

岡山も例外ではありません。
県北を中心にワイナリーが増えてます!

フランスやイタリアのワインは数が多すぎて、
どれを選んでいいのか迷ってしまうので、
市内のワイン専門店「スローカーブ」に寄った時の楽しみにしています!







鍋の柄を鉋(かんな)仕上げに


金属製の鍋は丈夫だけれど、
鍋から熱が伝わり易いので、
古くから日本の家庭用の鍋には
熱の伝わりにくい木製の柄が使われてきました。

欠点は、熱で木が収縮してしまい、
すぐにグスグスになっちゃう点・笑

何度か直していくうちに柄が短くなってきたので、
長めの柄に取り換えることに。

鋸(のこぎり)と鉋(かんな)があれば
誰でも簡単に直せるけど、
鉋を持ってる人って限られちゃいますよね?
「鍋の柄」修理店を開設すれば、喜ばれるかも?
僕の工房では受け付けていませんが、
探せば、きっとどこかにある筈。

久しぶりに「丸棒削り台」を出して、
柄の部分を鉋(かんな)で削り出してみました。
手仕事って、楽しい!
まん丸にならないから、揺らぎもあるし、
鉋痕が滑り止めにもなってる。一石二鳥!

鉋さえ使いこなせれば、誰だって修繕できます。

               (大)(中)(小) 大きさいろいろ

                                    形もいろいろ

                   掌に収まるような可愛い鉋も


鉋の台を直すための鉋があります。
日本の職人ならではの発想なのでしょう!
「台直し鉋」と呼ばれています。


鉋の刃を研ぎ、台を直していくうちに、
刃が短くなり、台も薄くなって、
その道具の役目を終えます。(右手が使い込んだ鉋)


「徳利袴と温め酒」展 / 福光屋(東京・丸の内店)


9月5日から始まる「徳利袴と温め酒」展案内用の写真が届きました。

1968年、福光屋が俳画家の小松砂丘に、
絵付けを依頼した徳利が乗せられた白漆の「袴」(限定10セット / 2個1組)
送られてきた写真には、
「入れ子のひとつに徳利、もうひとつにお料理(おつまみ)というのもいいですね」
というメッセージが添えられていました。

2020.9.5(土)-13(日)
【徳利袴と温め酒展】
福光屋(東京・丸の内店)



「重陽の節句」に振舞う菊酒用に菊の花を盛るためのうつわも出品します。


併せてご覧ください。


                                                   (写真提供:福光屋 / 安齋真佐樹)

重陽の節句(9月9日)

「重陽(ちょうよう)の節句に合わせて、袴(はかま)を作って欲しい」

「重陽の節句?」・・・???
「袴?」・・・???????
僕には全く理解できないオファー(依頼内容)に、
返事さえすることができず、無言に。

企画者(福光屋・東京丸の内店)から聞くところによれば、
9月9日は、中国から伝来した五節句の内のひとつ。
3月3日、7月7日同様 奇数の重なる縁起の良い日とされ、
陽の数が最も大きい9月9日を「重陽」と呼び、
健康と不老長寿を願う日なのだそうです。

その行事が平安の世に伝わり、
薬効をもつ季節の花「菊」をお酒に浮かべたり、
「燗(かん)酒始めの日」として
日本でも祝い酒を振舞う習慣が残っているのだとか。

「袴」とは、燗酒用に使う徳利をのせるためのコースターのようなもの?
失われてゆく温め酒の文化と共に忘れられつつある「徳利袴」を
現代の道具として再考してほしいという依頼内容だったのです。


「重陽の節句に合わせた袴」
  という言葉の意味をようやく理解し、

徳利袴に代用できる白漆の小鉢を作ってみました。

(入れ子の白漆小鉢)2ヶ1組    ※限定10組
                          〈大〉直径105㍉・高さ50㍉
                          〈小〉直径 90㍉・高さ45㍉                                                 
                                



2020.9.5(土)―13(日)
「徳利袴と温め酒」展
福光屋・東京(丸の内店)

(出展)池谷美奈美〈ガラス〉
               西原亜也〈古物〉
               山本美文〈木工〉



                     

 塗り方は様々              
 大小お好きな組合せを選んでください。



   





菊の花を盛るための

   黒漆のうつわも一点作っています。

プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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