「家」の「具」と書いて何と読む?

形やディティールの違いで
自分らしさや目新しさを特質化していく作業を
「デザイン」と呼ぶのなら、
「デザイン」の仕事は、僕の工房から遠い場所にある。


「家具」は読んで字の如く、「家」の「具」材。

うどんで云えば「ねぎ」や「あげ」、
ラーメンならば「シナチク」や「ナルト」といったところ(笑)
とりたてて必要ではないけれど、
無いと寂しさを覚えるような存在感を放ち、
具がうどんやラーメンの味に深みをあたえてくれるように、
静かな佇まいの家具が、
日々の暮らしにやすらぎを感じさせてくれたりもする。



「目立つかたち」には求心力があるけれど、
 存在感が強すぎるものは、やがて「飽き」がくる。
 目立たないけれど、
 脇役として存在感を放つ具材は、
 主役を引き立てるために添えられるもの。


 
 家具とて同じこと。
 主役はそこに暮らす人。

 使い込まれる程に愛される家具の美しさは、
 人の営みの中に隠れていく。
「アノニマス」を口にすることは容易だけど、
「アノニマスな美しさ」を表現ことは難しい。
「もともとある美しさ」を引き出すために、
 木工は、木のことを学び、



木目の美しさを活かし、
気温や湿度に応じて木が収縮できるような
組み手(仕口)を刻む。



時にはシェーカーの工法に学び、
時には日本の伝統的手法を取り入れながら。
















約束


20代の頃出会った画家の先生のアトリエで
自分の夢を語ったことがきっかけになり、
木工を志したわけですが、
今は亡き先生と交わした
数々の約束を
僕は本当に守れてきてるのだろうか?

「手から学びなさい」

「流行に流されず、
 正面から向き合いなさい」

「売るためのものではなく、
 人のために作りなさい」

「モノに恋せず、人を愛しなさい」

サビサビ号「胸を張る」の巻

えっ、「サビた車が好き」って本当?!

取材で工房をたずねてくれた
素敵な女性のひと言に耳を疑う木工。

徳島の本屋さん(Phil books)が
「錆びた仏車好き」ってお聞きし、

嬉しくて!

「あります、あります~我が家には【サビサビ号】が~~~」
少数派同志ゆえ、
盛り上がり度数も果てしない(笑)

久々に胸を張る【サビサビ号】





広島の国道沿いで見かけた
ピックアップトラック(売り物!)も

なかなかのサビ具合ということで~~~〇印
勝手に「山本美文・認定中古車」に
入れとこ~~っと(笑)

時を覚えるために


時が経つにつれ、
経年変化していく
素材のもつ美しさ


使い込む程に愛着のわく道具たち


デザインに優先されることなく、
使うことを目的に
暮らしを支えてくれる道具は
いつまでも飽きることなく



朽ちてゆく姿まで美しい



心を込めて綴られた文字



無垢(クルミ材)の座面には、
流れゆく時間とともに
日常が刻まれ





野に咲く草花を摘むことで

朽ちてゆく花の姿に
覚える
生命のはかなき
うつくしさ









松江市から続く海岸線

作品展の打ち合わせを兼ねて、
松江市のDOORに

店主の高橋香苗さんによってセレクトされた本や
クラフト作品等々が
気持ち良く並べられた空間



中庭には、大きな欅(けやき)の樹




木漏れ日のもとでの小さな音楽会。

木のテーブルを囲んでの食事会。

その余白をうめるように置かれる白漆のうつわ・・・たち。



打ち合わせの段階で、
作家と店主が同じ夢を描けさえすれば、
おのずと作品展は成功へと導かれるもの

来年の松江展が楽しみになりました!




打ち合わせを終え、
一路 友人の待つ兵庫県(新温泉町)へ。
松江から新温泉町へ向かう海沿いの絶景!

絶対、サザエがいる~~~(禁漁区なんでしょうが・・・)

左手に日本海~♪

できれば、
憧れの(夢みる)オープンカーで

海沿いの道を
走ってみたかったなぁ~


同じツーシーターでも、

僕の乗る窓枠付き(軽四)の景色じゃ物足りな~い⤵







プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

P R