本と音楽

昨年末個展を開催した松江の「DOOR 」は、
個人で営む小さな本屋さん。

セレクトされた本の並ぶスペースに隣接するギャラリーでは、
作家の個展やグループ展にとどまらず、
少人数での音楽会や朗読会も企画されるようです。

オーナーの高橋さんの本に対する熱意が、
編集者としても
一冊の本を出版へと導きます。

木次乳業の創業者・佐藤忠吉さんの言葉を
まとめ上げた「忠吉語録」
【出版】DOOR books
【著者】野津恵子
【写真】森善之
【定価】¥1800(税別)
さらりと読め、
後からじんわり心を温めてくれるような珠玉の一冊。


10代の頃の趣味は、
「好きな音楽を聴きながら本を手に取ること」でしたが、
小さな文字が読みづらくなってからは、
写真を見たり
詩を書き留めることくらいしかできずにいました。
改めて、
本を読むことの愉しさを思い起こしながら
「心にしたためる言霊」の余韻に酔いしれました。


岡山市にも友人が営む素敵な本屋があります。
「スロウな本屋」の小倉さんとは
小さなイベント会場で知り合って以来のお付き合い。
時折立ち寄り、

本を求めます。
「忠吉語録」も置かれているはず。



そうそう!
4~5日前に
平澤まりこちゃんから一冊の本が届きました。

シンプルで読みやすい「チーズ本」
実にチーズのことが分かり易く描かれている(書かれている)!!!

伝わり易い言葉の背に秘められる余韻から妄想はひろがるのです!









「美しさ」を見失わないために

パソコンに入力さえすれば、

正確で、綺麗な図面だって
引けちゃうご時世なのに、
僕は、今でもチューブから絵の具を絞り、
小さなパレットで
その色合い(グラデーション)を確かめながら
図面を塗り込んでいます。




どんな図面より
木肌の「美しさ」を連想(イメージ)してもらえそうな気がして・・・



模型も、
デザインをチェックするためではなく、

実際に仕立てる家具の樹種にそろえ、
佇まいの「美しさ」を確認していきます。


何より、
「美しいと感じる心」を優先しながら製作の工程を辿りたいのです。













「美しさ」を感じとる心が美しいのです。

昨年の木工歴30周年記念展の1会場で企画された
「工房に集まるもの」展では、
仕事場に置いてある道具や小物を並べ、
それらのものを視点に据えながら
人の心に宿るエモーショナルな情感(美意識)に
ついて考えてみました。

そもそも「美しさ」は、
モノの形の中に存在するのではなく、
そのモノを美しいと感じる人の心に宿るもの。

「美しさ」の感じ方は人それぞれ。
 みんな違うから面白い。



「古いもの」に価値を見出すのではなく、
「美しい」と感じる心が
「時空を超える鍵」に。



2019年は、3月の東京からスタートします。
フランス古道具「ルトロ」
日仏食堂「トロワ」
TEALABO t
とのコラボ「日仏 かすみ酒」(仮題)なる福光屋・丸ノ内での企画展!!!


巻き戻される時間



小さな湾を望む光景が
ぼくの原風景。



海に写し込まれる空の色を
いつもいつもながめていた少年がいる。

その海と空の境が消える時間帯が特に好きだった。

今でも
同じ場所に立ち、
過ぎゆく時間の中にたたずむことがある。
時を繋ぎ、 
白漆にその色を求めて。


2019年、明けましておめでとうございます。












2018年最後の(家具)納品

28日の個展最終日の食事会を終え、
本当は夜の打ち上げに参加したかったけれど、
毎年恒例の「餅つき」を30日にひかえていたので、
その日のうちに岡山に帰り、
29日は蒸し器や臼を洗い、
餅つきに備えました。

今年の年末は、
25日の家具(ベンチ)の納品から

27・28日に向けて食事会の準備⇒松江往復⇒
30日の餅つきまで大忙し。

「くたくた」「へろへろ」の木工は、
一連の行事を終えた安堵感から
夢心地でブログに「餅つき音頭」を作詞し、
鼻歌を披露。(疲れはピークに達し、
お酒の力でハイになってしまっていたようです・反省)

クリスマス(今年最後の家具)の納品は、
2㍍を超えるサイズのベンチだったので、
当初2階の窓から吊る予定でしたが、
数名の男手があったので、
「エイヤー!」
という掛け声と共に庭先から重量挙げ。
その長さを逆手にとり、
2階から差し出される手で引き上げるという離れ業で納品!!!

「お見事!山本サーカス団?!」
見ていた方々からの小さな歓声とともに
リビングを飾ったくるみ材のベンチ。

座面を低く空間を妨げないようデザイン。
(座面や背もたれの角度から肘掛けの高さに至るまで採寸したオーダーメイド)

時間とともにその風合いを増すクルミ材に
家族の歴史が刻まれ、
やがてその家に収まっていくことが
作り手としての何よりの悦びです。

結局 年賀状のことなど
考える間もなく大みそかを迎えてしまいました。

皆さま、よいお年を!

プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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