かまえないで

先月末(旧暦の6月15日)、恒例の
満潮祭が近くの湾で開催されました。

船で待機している
地元の子供達が奏でる笛太鼓の音に合わせ、
提灯を吊るした2艘のしゃぎり船が
対岸の亀岩宮に向かいます。

大学で写真部に入部した娘は、
一眼レフを胸に勇んで亀岩宮へ。
今のカメラは暗くてもちゃんと撮れるし、
モードさえセッティングすれば、
花火だって綺麗に写すことができる。
でも、
「誰でも上手に撮れるカメラ」って、
どうやっても綺麗に写っちゃうから、
僕は苦手・・・


街中をスナップする時や祭りの写真は、
三脚を立てて撮るのもいいけれど、
僕は人波のエネルギー(臨場感)を収めたくなるので、
ポケットからさっとカメラを出して、
シャッターを切る「構えない写真」の方が好きだ。

ピントなんかにとらわれず、
ブレた写真からでも伝わる
祭りの臨場感に酔いしれたい・・・








 ブレブレの写真だって
 見方によっては、
 絵画のようにだって見えちゃうから。














シェーカー様式・暮らしの道具展(終了しました)


      広島・MANOS GARDEN(マノスガーデン)で、
     「シェーカー様式・暮らしの道具」展が
      始まりました。








     木の仕事 / 山本美文
     鉄の仕事 / 中村智美


   








             竹の仕事 / オントルポ
             革の仕事 / 一粒舎











      衣 / アトリエユヌプラス




























新作の発案

「デザインしてやろう」なんて
 発想したことすらないし、
「美しいデザインでしょう!」って作り手が発すると、
 (い)やらし~い気がしちゃう。

 だって、美しいと感じるか否かは、
 使い手(受け手)だけが享受できる特権なのですから。
 
 7月16日から広島市(マノスガーデン)で始まる
「シェーカー様式・暮らしの道具展」では、
 新作のカトラリーも出展します。


 写真だけ見ると、「???」
 「なに?、これ」って感じ⤵


かつて船材を扱っていた材木店に
眠っていた「タブ」の木は、
油気もあり、水気にも強いのだそうです。
色が桜材に似ていることから、
「タブザクラ」と呼ばれ、
家具材としても使われていたのだとか。

その性質に注目し思いついたのが、

以前から試作を繰り返してきた【包丁スタンド】。

海外製の包丁を囲う(差し込む)木製のスタンドは、
湿気の高い日本の風土に合っていないし、
磁石に張り付けるのは、
刃物がかわいそう・・・

どちらにしても、
サビが怖くて、
使う気になれずにいました。
サビに強くて
包丁が傷まないスタンドを作る為に、
様々な工夫を試してきた結果、
溝に工夫を凝らして、
包丁の刃を2点で支えることに。
10年越しで、
木(溝)も乾き易く、
刃物に優しい包丁スタンドが完成しました。

でも⤵
この調子では、あと2~3件
新作を完成させたら
僕の木工人生が終わっちゃう(笑)







こちらは、パレット型のお皿とベイビースプーン&フォーク。
赤ちゃん用のお椀は、
大抵 丸っこくて厚手のものばかり。
幼い時から伝統的な形の椀を身近に感じて欲しいなぁ~と願いながらも、
高台のある椀は転びやすくて、赤ちゃんには不向き。
まてよ?!
高台を逆手に取れば、

ギュッと差し込んで
固定できる!
椀を固定できれば、
赤ちゃんだって、
より掬(すく)い易いはず!!!


完成したベイビーボウル・セット

栗のパレット皿
山桜の椀
椨(タブ)のベイビースプーン
山桜のベイビーフォーク


「シェーカー様式・暮らしの道具」展
2016.7.16(土)~23(土)
詳しくは、http://manosgarden.com
                  082-294-5660

     木工・山本美文
      衣・アトリエユヌプラス
    かばん・一粒舎
    竹かご・オントルポ
      鉄・中村智美

















 



オーダーメイド

岡山県の中腹部に位置する美星町に、
木製の福祉機器を製作している工房があります。
「となりの工房」代表の沖ちなみさんは古くからの友人で、
年に一度は会食し、
互いの近況を話し合ってきた仲。
 
 僕が信州で木工を始めて間もない頃、
 たしか? 彼女は岐阜の訓練校?の木工科?に
 通われていた?はず??? 
 もう三十年ちかく前のことなので、
 記憶さえあいまいになってしまってるけど・・・

「となりの工房」の仕事内容は、
障害や高齢で身体の自由を奪われてしまった方々の
症状に則した補助器具(車椅子や座位保持装置)を
主に木で製作していくこと。
時にはドクターを介して
入念な打ち合わせの下で作りあげていく
丁寧な彼女の仕事ぶりを目の当たりにして、
それまで安易に口にしていた
「オーダーメイド」という言葉のもつ意味を、
考え直さなくてはいけない気がしたのです。

オーダーメイドのあり方について一から改めようと決めて
参考にしたのが、「テーラー」と呼ばれる
紳士服の仕立て屋さんのとる手順。
    【 寸法どり   】
    【 デザイニング 】
    【 型紙起こし  】
    【 チャコ引き  】
    【  裁断    】
これらの一連の流れと照らし合わせながら作った
「採寸用の椅子」。
先ずは、
採寸用の椅子に腰かけてもらい、

【座面の高さ・角度】
【背もたれの角度】
【肘掛けの高さと傾斜角】
 を身体に合わせて試してもらいます。
最後に、
背中の丸みとS字カーブを採寸させてもらうわけですが、
「テーラーメジャー」と呼ばれる巻き尺を
首元にかけた木工の姿に驚かれることも(笑)




椅子のデザインは、背のカーブに合わせて
1本1本削り込めるスピンドルタイプにすることにして
出来上がったのが、こちらの椅子。

試作品に1度座ってもらってから
完成品へと導くため、
通常作る椅子の倍以上のお値段にはなりますが、
座り心地のよい木の椅子をお探しの方々から
ひきあいのある「オーダーメイドの椅子」になりました。









     







シェーカー様式の家具

シェーカー様式「暮らしの道具」展
2016.7.16(土)~23(土)
11:00-18:00(最終日は16:00まで)


MANOS GARDEN:広島市西観音町11-7 2F
082(294)5660

初日(16日)は、家具の受注も直接承ります。
(現在、6か月~1年程お待ちいただいておりますが、
 この機会に是非、ご相談頂ければ幸いです)


これまでに注文いただいた
シェーカー様式の家具を一部
写真にてご紹介します。










































※写真の家具はこれまでにオーダーメイドしたもので、
広島に出展するものとは異なります。

プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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