僕が小学生の頃流行していたサイフォン式の
コーヒードリップ。
ある日、
我が家にもサイフォンとミルの家庭用セットが
父親のお歳暮品として届いた。
コーヒーは苦くて飲めない小学生でも、
クツクツ沸いたお湯が細い筒を昇って
コーヒーとして落とされる様は、
理科の実験でも見ているかのようで興味深かった。
ただ、
かたづけの面倒なサイフォン式は
時代とともに便利なペーパードリップ式に変わり、
サイフォンが一般家庭から姿を消して久しい。
それからも、KONOS Coffee Mill TOKYO
と刻印されたコーヒーミルだけは、
我が家の朝の必需品として活躍している。
(TOKYOの刻印が時代を彷彿させますねぇ。)
持ち易くて使い勝手の良い形が気に入って、
当初は父親が使っていたのを譲り受け、
今日まで買い換えることなく約40年近く
使い込んできた。
数年前、
東京でクラフトショップを経営されている中川ちえさんが
これと同じコーヒーミルを入手し、
お気に入りの道具として使われているという記事を
目にしたことがある。
まだお会いしたことはないけれど、
道具の取り持つ縁を信じて
「ミル友」(コーヒーミル友達の略)になれる日でも
待つことにしよう!
愛用のミルは浮気心を抱かぬまま使ってきたものの、
コーヒー豆をストックするための入れ物に関しては
定まらなかった。
茶筒、ビン、木箱等々、
数々試してみたけれど
しっくりくるものが探せなくて・・・
ところが偶然は突然やってくるもの。
吉祥寺のサムエルワルツで見つけたのがこちらのカン。
ストックホルムと刻印された
コーヒー豆200g用のカンは、
漆の朱にも似た色合いで日本的にも写る。
迷わず持ち帰ることに決めた。
それにしても、TOKYOにしろSTOCKHOLMにしろ、
ただのmade inの刻印好き?と誤解されちゃいそうだけど、
まあいいか、気に入ったのだから!
偶然といえば先日、
瀬戸(愛知)から岡山に移住された
陶芸家夫婦の仕事場を訪ねた折、
おとなりの日用雑貨の店を紹介され、店内に。
そこには70年代~80年代の日用品が
当時のまま並べられていた。
よくよく見ていると、かつて我が家にあった柄の
サイフォンが目にとまった。
もしやと思い、ガラスケースの奥の方をさぐると
やっぱりあった!
我が家で愛用してきたものと同じコーヒーミルだ!
当時の価格がそのまま貼られていたデッドストック品が
こちら
左「デッドストックミル2号」、右「ミル1号40年選手」