子供たちがパレットに絵の具をのせた瞬間、
無限の空想と自由を手にするように、
只、
自分の好きな漆の世界観を求めてみようと決めた日から、
それまでのものづくりに対する理念や信条を捨て去りました。
その代わりに、
少数派かもしれないけれど、
自分と同じような感覚の持ち主や、
好きなものが共感できる人が必ず居るはずと信じて、
漆に向き合っています。
工芸のもつ美の世界からは足を踏み外したのかもしれません
「伝統への冒とく」と言われてもいた仕方ありません(笑)
若き日に慕っていた画家の先生のアトリエで教わった
色彩の醸し出すマチエールを
白(漆)の世界に求めてみたいとの願いばかりが募ってくるのです。