梅雨の雨音に誘われて


「花を活ける」習慣を持ち合わせていない僕は、
 田舎暮らしに甘えて、
 工房からの「借景」に頼る毎日。

 窓に映る緑の移ろいから
 草木の生命感を感じ取ったり、
 雨上がりの土の匂いに、
 初夏の足音を察っしたり。

それでも、
雨音に憂鬱さを覚えたり、
仕事への意欲が滞る日には、
草花を摘み、
心の淀みを祓(はら)うために花を添えてみる。

そもそも、「飾る」という行為が苦手な僕には、
空間を彩る(飾る)ための生け花は柄じゃない・・・
花を摘みとるのは、
友人をもてなす日や
お正月などを迎える特別な(ハレの)日に限っていたのだけれど、
花を切り落とす勇気が
清澄な間へと導く呼び水になることを覚えてからは、
草花への意識も少し変わってきたのかも?








クラフトフェアまつもと

「クラフトフェアまつもと」
   ~ひとり旅~





28日(土)に岡山を出発。
岐阜の「本田」で、フランスから届いたばかりの古道具展に。
ちょうど、
近くで「Mon. sakata × 吉田次朗展」が開催されていると聞き、
会場へ(ここは次朗くんのアトリエ)

「空間を作って飾る」という手法ではなく、
「作品の世界観が空間を作り出している」
           



夜のうちに岐阜から木曽路をぬけ、
安曇野へ(着いたのは深夜)
おやすみなさい  zoo~

残雪のアルプスが朝日に照らされ、

絶好のクラフトフェア日和。







ワクワクしながら、

あがたの森会場へ。

人の波をかき分けながら、
クラフトフェア会場を一周した後(ヘトヘト)、

あがたの森から
歩いてすぐの松本市立美術館へ。

民芸・伝統工芸・アート&クラフトといった垣根を
やすやすと越えられるバーナードリーチは、
自由の翼を纏(まと)ってる!!!

松本の5月は、工芸一色。
そんな街並みの中でも 
ひと際印象深かった【工芸のウチ・ソト展】
「フェアが物販だけになっちゃうとさみしいから」
とおっしゃる三谷さんの言葉どおり、
見ごたえある企画展でした。

ものづくりに織り込まれる時間(過去と現在)を繋ぐことで、
展望できる工芸の未来を示唆してくれてるかのよう。
作り手が過去に憶することなく
伝統と革新を併せ持つことで、
未来は開かれていくのでしょうね。

安藤雅信さんの鉢に
皆川さん(ミナペルホネン)が手描きされた文字のような柄は、

以前、「本田」で手に入れた
お気に入りの
ワイングラスにも合いそう!





松本で工芸を満喫したあとは、
次の目的地 静岡に。

右手に南アルプス、左手に富士山を望む
富士川沿いを南下し、
市内のブロカントショップへ。

知人が勤めてる店なので、
一点一点説明を受けながら
店内を物色(笑)

フランスで買い付けた品々が並ぶ店内。
外には、

h(アッシュ)トラック!
こんな車で材木を運んでみたいな!!
誰か買ってくれないかなぁ~
(ドライブしましょ!幌付きのツーシーターで・笑)








ブロカントショップから続く
海沿いの街道

通称「イチゴロード」
走ってみて名前の由来を納得。
左手に駿河湾、道の右手にはイチゴを栽培するための
ビニールハウス(海風がイチゴを甘くするのかなぁ・・・?)

「岡山と静岡は気候や気風が似てる」
と言われたりしますが、
太平洋から富士山を望めるダイナミックな静岡と
小さな海に点在する島々を囲う岡山が似てるなんて
疑わしいなぁ~ って思ってました。
でもでも、
「イチゴロード」と命名された道の名を聞いた時、
岡山と静岡の気風は似てるのかも!?
 って妙に合点したのでした。
「桃太郎通り」・「マスカットスタジアム」・・・
岡山も負けてません!!!(笑)
共通するのは、
両県とも、
口にすることをためらっちゃうような呼び名を
平然とつけてしまう行政のセンス(すごい!)

からかわれたのかもしれないけれど、
イチゴの季節には、
沿道で手招きする「イチゴ娘」がいるって本当?
誘惑されちゃうなぁ~(きっと)
工芸の未来を展望していた松本から一転、
いつの間にか「イチゴ娘」を妄想しちゃってる・・・

頭を3回振ると物事を忘れられる特技をもつ僕は、
プルプルプル

次の目的地、「アディション ヌフ」へ。

不思議なご縁!
最初に訪ねたブロカントショップに勤めてる知人の奥様(志保ちゃん)が
お手伝いに通ってるらしい。
(繋がっちゃうんですよねぇ~)

夕食は、志保ちゃんお薦めのピッツァ。
ワインを飲めないのは残念だったけど、
静岡の夜を満喫。
明日の目的地に向かうため
1号線を愛知方面に(遠州灘を望む道の駅で一泊)

車の後方に取り付けられている

小さな流し、コンロ、冷蔵庫、ベッドがあれば、
「どこでも宿泊所」(ドラえもん風に読んでくださいね)
気ままな旅が続けられます。
翌日は、蒲郡の「pleasure」に立ち寄って、一路 岡山に。

















フィールドオブクラフト倉敷

倉敷(フェリシテ)での四人展を抜け出して、
「第11回フィールドオブクラフト倉敷」の会場へ。
(人、ひと、人+ワンちゃん)

クラフトフェアを続けることで、
倉敷にも人(クラフト)の輪が広がってきた様子。
もともと民芸の根付いている土地柄ゆえ、
手工芸には寛容な倉敷。
僕の知る限り、
倉敷で早くからクラフト普及に尽力してくださっていた
日本郷土玩具館の大賀紀美子さんが、
「フィールドオブクラフト倉敷」以前に
倉敷の街並みを会場にした全国規模の
クラフトイベント(フェア)を開催されたともお聞きしています。

クラフトを育ててきてくれた地域の方々の思いを継いで、
立ち上げられた「フィールドオブクラフト倉敷」は、
本年度よりメンバー(実行委員)が一新され、
今後の舵取りが注目されます。
舵取りとは言っても、
「倉敷らしい」と評価されることが一番の褒め言葉。 
 その評価さえ失わなければ、舵取りは良好なはず。


近年、「クラフトフェア」が「クラフト見本市」に変貌した
という厳しい意見もちょくちょく耳にするようになりました。
そもそも、
作り手と使い手が共に刺激しあいながら
現代の暮らしの在り方を考えられる場所として愛されてきたクラフトフェア。
気持ちいい空気を吸いながら、
作り手は使い手に教えられ、
使い手は、作り手の手を育てるための提案ができる場所として
小さな社会性(ムーブメント)を担ってきた場所。

「売り手市場」などといった現代社会の縮図にのみ込まれ、
会場の空気が「見本市」に映るようであれば、
出店作家の姿勢そのものが問い直されるべきだと思ってしまうのです。
いつの時代も、
使い勝手を具現化していく作り手のもつ温かな眼差しが、
会場に柔らかな空気を呼び込んでくれるのでしょうから。





岡澤悦子・棚橋祐介・宮下香代・山本美文 四人展搬入(終了しました)


明日(5月20日)から始まる
フェリシテ(倉敷)での
四人展の搬入(飾付け)が終わり、
いよいよ初日を迎えます。
           ドキドキ

     【craft 四重奏】
2016.5.20日(金)-29日(日)  ※23日(月)24日(火)は定休日
  10:30~17:00         [場所]フェリシテ(倉敷市本町10-6)
                        086(423)5277
出品作家
     岡澤悦子(陶)長野県
     棚橋祐介(陶)岐阜県
     宮下香代(紙造形)愛知県
     山本美文(木と漆)岡山県






異素材が
それぞれの作品をひきたててくれ、

窓から差す瀬戸内の陽光が、

光と影のコントラストを
演出してくれます。








棚橋さんの作品は10点ほど、

岡澤さんは5~6点ゆえに、
初日に完売しちゃいそう!(お早めに)



僕は、白漆のうつわを中心に



オリーブの木を象嵌した
アクセサリーも出品







そして、
空間を彩る宮下さんのモビールが

四人の物語を紡ぎながら、
会場に響く手仕事の音色を
感じさせてくれるのでした。

※20日(金)・21日(土)・22日(日)  山本美文(在廊予定)

21日(土)・22日(日)は、近くの芸文館前広場で
「フィールドオブクラフト倉敷」が開催されています。





飾らない美しさ

「飾らない美しさ」という言葉の響きが
好きになったのは いつの頃からだろう?

飾らない人柄の
気さくな仲間たちに囲まれ、
手をとりあいながら歩みたい!
と願うようになったのも、
同じ頃からだったのかも。



       手で作るもの(クラフト)は、
       作り手の生き方に伴いその形を変えていくもの。
       ゆえに、僕の手は
       飾り気のない器へと導かれてゆく。
       
 

巷(ちまた)を見渡せば、
ファッションにしろインテリアにしろ
情報ソースの基本コンセプトは、
いつだって「飾ること」

取り残されているのは僕の方に
違いないのだけれど、
世の中には僕と同じように
「飾らないこと」を信条にしている人もいるはず!

「ドレスアップ」よりも、
「ドレスダウン」に寄ってしまう人



飾り気がない仕事場で、
道具があるべきところにありさえすれば、
それが一番美しい姿だと思ってしまう人


無造作に使われている
生活具が何より好きだったりする人


普段着が似合うふるぼけた車が
好みなんだけれど、
走らないうえ、入退院を繰り返すから、
「こまっちゃう」が口癖になってしまっている人

そんな悩みをお持ちの方が、
僕の器を見て、美しさを見いだしてくれる人です(きっと!)

       【craft 四重奏】
2016.5.20(金)-29(日)  ※23(月)・24(火)は定休日
10:30~17:00         場所:フェリシテ(倉敷市本町10-6)
                       086(423)5277
出品作家   岡澤悦子(陶)長野県
       棚橋祐介(陶)岐阜県
       宮下香代(紙造形)愛知県
       山本美文(木と漆)岡山県
       

※21(土)・22(日)は、倉敷芸文館前広場で「フィールドオブクラフト倉敷」も。(そちらには出店しておりません)
 
 合間をみて(フェリシテのお許しがでれば・笑)、会場には寄ってみたいな!




プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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