倉敷(フェリシテ)での四人展を抜け出して、
「第11回フィールドオブクラフト倉敷」の会場へ。
(人、ひと、人+ワンちゃん)
クラフトフェアを続けることで、
倉敷にも人(クラフト)の輪が広がってきた様子。
もともと民芸の根付いている土地柄ゆえ、
手工芸には寛容な倉敷。
僕の知る限り、
倉敷で早くからクラフト普及に尽力してくださっていた
日本郷土玩具館の大賀紀美子さんが、
「フィールドオブクラフト倉敷」以前に
倉敷の街並みを会場にした全国規模の
クラフトイベント(フェア)を開催されたともお聞きしています。
クラフトを育ててきてくれた地域の方々の思いを継いで、
立ち上げられた「フィールドオブクラフト倉敷」は、
本年度よりメンバー(実行委員)が一新され、
今後の舵取りが注目されます。
舵取りとは言っても、
「倉敷らしい」と評価されることが一番の褒め言葉。
その評価さえ失わなければ、舵取りは良好なはず。
近年、「クラフトフェア」が「クラフト見本市」に変貌した
という厳しい意見もちょくちょく耳にするようになりました。
そもそも、
作り手と使い手が共に刺激しあいながら
現代の暮らしの在り方を考えられる場所として愛されてきたクラフトフェア。
気持ちいい空気を吸いながら、
作り手は使い手に教えられ、
使い手は、作り手の手を育てるための提案ができる場所として
小さな社会性(ムーブメント)を担ってきた場所。
「売り手市場」などといった現代社会の縮図にのみ込まれ、
会場の空気が「見本市」に映るようであれば、
出店作家の姿勢そのものが問い直されるべきだと思ってしまうのです。
いつの時代も、
使い勝手を具現化していく作り手のもつ温かな眼差しが、
会場に柔らかな空気を呼び込んでくれるのでしょうから。