「花を活ける」習慣を持ち合わせていない僕は、
田舎暮らしに甘えて、
工房からの「借景」に頼る毎日。
窓に映る緑の移ろいから
草木の生命感を感じ取ったり、
雨上がりの土の匂いに、
初夏の足音を察っしたり。
それでも、
雨音に憂鬱さを覚えたり、
仕事への意欲が滞る日には、
草花を摘み、
心の淀みを祓(はら)うために花を添えてみる。
そもそも、「飾る」という行為が苦手な僕には、
空間を彩る(飾る)ための生け花は柄じゃない・・・
花を摘みとるのは、
友人をもてなす日や
お正月などを迎える特別な(ハレの)日に限っていたのだけれど、
花を切り落とす勇気が
清澄な間へと導く呼び水になることを覚えてからは、
草花への意識も少し変わってきたのかも?