瀬戸内の澄んだ空と海の青



工房から15分程 車を走らすと
牛窓(うしまど)という小さな港町に着きます。
いにしえの牛窓は、万葉集にも「風待ち、潮待ちの港」
として登場する歴史深い街。




近年はヨットハーバーも完備され、
リゾート地としても人気のスポットです。
ただ、
遠くから眺める瀬戸内海は美しく写るけれど、
夏の海水浴に行けば、年々汚れていく海の現実に
直面してしまいます。



子供の頃見ていた海の青は
絵の具の青より青く、
その透きとおった海の青に
誘われるかのように出向いた身近な海。

少年は、
海中にあるはずの海の青を探そうと
何度も何度も海の底まで潜ってみたけれど、
海の中に青色は探せず、
海中から海面に浮き上がろうとしたとき見上げた空の青が、
水面に写りこんで
海の青を照らしていることに気づいた。
そして、澄みきったその青は
透きとおった海水があって初めて
生まれることも知った。

やがて時代は海から澄みきった青を奪い去り、
今では、青という色の概念さえ
変わってしまうほど
身近な海が汚されている。

海岸沿いに立ち、
しばし目の前の海を眺めてみる。
岸辺に押し寄せる波音と沖を行き来する小船の
エンジン音は変わらずとも、
時代とともに変わりゆく海の色に胸が痛む。

              山本 美文

岐阜~名古屋のモーニング

岐阜・名古屋特有の食文化、
独自の赤味噌で煮込んだ料理を前に
ついついビールに手がのびてしまいます。
なかでも
ギネスビールとの合性の良さは
特質もの(お試しあれ)。

そしてもうひとつの旅の楽しみが
充実した朝食付のモーニング。
個展会場周辺でも、
朝からopenをかかげるカフェの看板が
目にとまります。
岐阜・名古屋圏の朝食文化、恐るべし!

コーヒー代だけで朝食が食べられる
モーニングの時間帯は、どのお店もほぼ満席状態。
活気溢れるモーニング文化の街角は、
それを象徴しているかのように看板もにぎやかです。
この店あの店、
あちらこちらにモーニングの開始を知らせる
黄色い回転灯が灯され、
クルクル、クルクル、
夢のよう。


openを知らせるためにそびえ立つ
黄色い回転灯


看板の必需品?幸せの黄色い回転灯


大通り沿いも街中も
クルクル、クルクル


たとえ看板がなくとも、
壁際でクルクル

        山本美文

岐阜「本田」展は明日(7月13日)まで(終了しました)



















































岐阜「本田」OUR RENOVATION展は
明日(7月13日)まで。
最終日15:00頃会場に出向く予定です。
作品の一部を、翌7月14日<月>から始まる名古屋「手児奈」
35周年記念展四人の木工作家による「木のカトラリーと道具展」へ。

                    山本美文

クラフトフェアまつもとの夜ごはん

クラフトフェアまつもと30周年記念展に
参加してきました。
3年前を最後にするつもりだったので
久々のあがたの森でしたが、
お天気にも恵まれ、
クラフトフェア日和の2日間でした。


前日入りした松本では、
道脇の清流に癒されながら


「69クラフトストリート」を見て歩き、
夕食(夜ごはん)は
ミナペルホネンの皆川さんが教えてくれた
ロースト料理店で翌日からのクラフトフェアに
向けてのエネルギー補給。
こんなに肉料理を食べたのも久しぶり!

夕食後は、
近くの本屋さんで開催されたオオヤコーヒの大宅さんと
Sajiの仲宗根さんによる座談会を聞きながら
大笑いしていたのも束の間、
突然クラフトの話題を振られ、
聴衆席であせる(冷)。

オオヤコーヒは、
音楽にでも浸りたくなるような
時間を提供してくれる。
さめても、美味しいからね。
昼間いただいたエスプレッソも
おとなの味わいでした。


そしてクラフトフェア当日のあがたの森での
ブース設営




今回も大勢の人・人・人。
初めてクラフトフェアまつもとに参加したのは、
第3回展?(忘れちゃうほど昔々の出来事)。

たしか自立式のテントさえない時代で、
青空の下に家具を出展していたっけなぁ。
当時、僕は妻と二人木曽山中で極貧の暮らし真っただ中。
若さ由抱ける未来への希望だけを心の寄りどころに
木に向き合っていました。

そんなかけだしにも門戸を開いてくれていたのが、
クラフトフェアまつもと。
今だったら審査で落選していただろうなぁ(笑)。
松本の空の下、
夢と希望だけを胸に参加していた
僕たちを応援してくれる人たちとの出会いを重ねながら、
木工としてのあり方を学べたのも
クラフトフェアがあったからこそ。

上昇志向に傾かず、低空飛行しながらでも
暮らしに寄り添うものづくりを志すことの大切さを
教わったのもあがたの森でした。
今回は、30周年記念の出展依頼を受けての参加だったので、
これまで出会ってきた使い手の皆様や
信州の仲間たちにお礼も兼ねて松本時間を楽しもうと
車中で妻と話ながら
あがたの森に向かいました。


クラフトフェア初日の夜ごはんは、「10cm」で
細川亜衣さんとペルー料理の太田哲雄さんによる
コラボ料理。

絶品!
美味し過ぎるー!!


三谷さんの器はどんな料理にも
マッチングするから不思議です。
足し算でも引き算でもない素のデザインが生みだす奥行き
と木の持つテクスチュア(手触り)が導き出す究極のバランスは、
だれも真似できない三谷流。
さすがです。
細川さん、太田さん、三谷さん、ごちそうさまでした。

                     山本 美文




「クレア」の取材

今月発売号の女性誌「クレア」で
瀬戸内の食卓から
岡山のクラフト作品が取り上げられています。
本屋で女性誌のコーナーに立つ勇気がない僕には
それらの本を手にする機会も持てませんが、
パリを特集した前号に続いて、
今月号もテーマを食に絞った特集の中で
食卓を彩る岡山の作家の
器やカトラリーが紹介されています。

                      白漆のリム皿

僕の工房からは、
今月末のクラフトフェアまつもとに向けて製作中の
茶さじやオリーブのカトラリーが掲載されているので、
本屋さんに立ち寄る機会があれば、
是非ご覧下さい。

                       山本 美文

プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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