日本のモダニズム建築に多大な影響を及ぼたと言われる
建築家のひとり、アントニン・レーモンド。
1919年、帝国ホテル設計施工のため、
フランク・ロイド・ライトの助手として来日。
1922年には独立して、「レーモンド事務所」を開設。
娘の通う大学が施工された年が
刻まれた礎石
大学から届いた「学園通信」の中に、
園内を見学できる社会人向けの建築講座があったので、
参加してきました。
〖女子大を木工が歩く〗の巻
建築に ずぶの素人(木工)が見ても分かる
現代建築との違い。〖その1〗
レーモンドが、
日本の気候・風土が呼び起こす必然に
眼を向け、自然を受け入れる建築を
形にしていること。
日本の気候風土(高温多湿)に
対処するために、
窓の上に庇(ひさし)を付け、
雨が窓ガラスをつたわないよう配慮された奥まった窓。
のっぺらぼうの箱では、風雨にさらされちゃいますから⤵
広い講堂内も、明るく開放的
(北の窓)
(南の窓)
北窓から南窓に抜ける風をよむ設計。
真冬の風が直接入らないように廊下を隔てた北窓から
真夏の直射日光が当たらぬよう木の葉で覆われる南窓に抜ける風。
樹々に守られる
南窓の下には美しいタイルが貼られ、
結露や寒さを防ぐ配慮まで。
建築に ずぶの素人(木工)が見ても分かる
現代建築との違い 〖その2〗
外観の秀悦なデザインもさることながら、
経年変化していく素材の美しさが、
屋内に時を刻み、
窓辺の光と影に照らし出されています。
防犯をデザインした明かりとり
和(引き違い戸)を意識した教室への入口
手仕事によるらせん階段
見た目の美しさにとらわれず、
永遠(とわ)の美しさを求める強い意思と
素材と手が織りなすディティールの中に
潜む建築家のあたたかな眼差し。
「内なる美しさ」を形にした
建築家っていたんですね。凄い!!!