牛窓クラフト散歩の二日間

4月18日(土)・19日(日)に開催された
「第2回牛窓クラフト散歩」。
2日目は、☂マーク(60㌫)がついていたにもかかわらず、
開催時間にはピタッと雨がやみ、一日傘を差すこともなく
牛窓の街を散歩していただけたようですね。

初日の青空も「晴れの国」を象徴するお天気だったけど、
しっとり雨に濡れた港町も
春先の牛窓ならではの光景でした。





街角「ミュゼ」の企画展ブースでは、
イラストレーターの平澤まりこさんに、
原画展「森へいく」を
開催していただきました。


原画展の会場を担当するにあたって、
重厚な空間(旧い銀行)を
どの様な構成で
森に見立てていくのかに苦心しましたが、



かつて暮らしていた中央アルプス山麓で感じていた
森の気配を思い起こしながら会場を作っていきました。
(静かな森の中に差す光の帯のように、
 窓からの陽光が 平澤さんの原画を
 照らし出していきます)

中央に置いた木の塊(かたまり)は、
腰掛けの原形。
人と椅子の歴史もまた、森から始まります。

会場では、木の切り株や倒木に腰掛けた架空の木工が
平澤さんの描き出した森の世界へと誘(いざな)います。





              (山桜の板と山桜のスツール)

大きな木の塊を腰掛けに代用していた木工は、
持ち運びのできる簡素な椅子を求め、工夫を重ねていきます。
(一枚の板に脚を取りつけたスツールは、
 それまで座ることだけを目的としていた腰掛けの文化に
 用途を付随させ、椅子へと進化の道をたどります)


            (くるみの板とくるみの椅子2脚)

スツール作りで自信を得た木工は、
座った時に安楽感に包まれる背もたれの形状(スピンドルチェア)
を考えたり、より快適に座れるように肘掛け(アーム)を取り付けたり。

ものづくりの技術は、作り手の意識と密接に繋がっていきます。

一方、会場に配置されたイーゼルは、
森に佇む木々のようでもあり、
入場した人達を驚かせます。

森を想定して作られた会場は、
平澤さんの手が加わり(全ての作品が入り口ドアに向けられ)、
「森のオーケストラ」の様相に。
何も知らず会場に踏み込んだあなたは、
入り口でタクト(指揮棒)を渡されたかのような錯覚に陥り、
物語の主人公(木工)と共に森の音色に包まれながら
「平澤ワールド」へと導かれる空間構成です。

平澤さん、お疲れさま。
今回は、「天然生活」の取材も兼ねられていたので、
時間もままならぬ
ハードスケジュールの旅だったのではないでしょうか?
6月20日発売予定の
8月号「天然生活」を楽しみにしています。
天然生活・編集室の皆様、
カメラマンで同行してくださった中川正子さん、
再会できて嬉しかったです。
そして、休日の貴重なお時間を割いて
牛窓まで出向いて下さったすべての方々に
作家を代表し、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。

     山本美文

       











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