「牛窓クラフト散歩」2019

信州から故郷の岡山に工房を移設した20年前、
岡山では、まだ「クラフト」という言葉が一般化されていませんでした。
(備前焼に代表される伝統工芸や倉敷に根付く民芸のことは知られていても、
「クラフト」の認識度がまだまだ低かったように思います)

お手伝いをしていた「クラフトフェアまつもと」が
全国誌等々に取り上げられることも多かったので、
勿論、通の方々の間では話題になっていたとは思いますが、
松本のように、一般の方々にまで「クラフト」という言葉は
浸透していない印象を受けました。

その後、建築家の友人を「クラフトフェアまつもと」に誘ったことが呼び水になり、
「フィールドオブクラフト倉敷」を立ち上げ、
バトンを渡した次世代の実行委員の努力も実を結び、
今では、岡山でも「クラフト」という言葉が日常的に使われるまでになりました。

クラフトフェアは、クラフト(手工芸)のすそ野を広げる役目を担います。

最終的な目的は伝統工芸や民芸などと同様、
作り手の歩むべき道筋を立て、
手工芸全体の枠を広げることにあります。
更には、伝統工芸・民芸・クラフトなどといったジャンルの枠(垣根)を
低くすることで、岡山の手工芸のレベルアップに結びつくのかもしれません。

先ずは、「クラフト」自体がしっかりとした基盤を築くことから
始めなくてはお話にもなりません。
そこで、岡山に「クラフト」を根付かせるための
〈クラフト三段跳び!!!〉なるものを勝手に構想しました・笑

ホップは、「フィールドオブクラフト倉敷」
ステップは、街並みの民家や空きスペースをギャラリーに見立て、
作り手と使い手がより身近に感じられる場を設けた「牛窓クラフト散歩」。
(クラフトフェアでは行き届かない、作り手と使い手の親密性を基本コンセプトにしています)

クラフトフェアですそ野を広げ、
牛窓で親密な関係性を紡ぐための小さな物語を経て、
着地点をのぞみます。

ビエンナーレ(隔年開催)で続けてきた
「牛窓クラフト散歩」も3回を終え、
次の第4回展を迎えるための会議を重ねていた折も折、
昨年7月の集中豪雨が岡山を襲いました。
それを境に、
実行委員会での議論は、
「第4回展開催事項」から「被災地支援(クラフトフェアの在り方)」へと移っていきました。

「牛窓クラフト散歩2019」を中止するに至った経緯につきましては、
事務局の公式ホームページにも書かれています。
(下の 牛窓クラフト散歩2019 をクリック)

牛窓クラフト散歩2019

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山本美文アトリエ
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