にぎわう人出が苦手な僕は、
「お花見」に出掛ける機会もなく、
遠くの山に点在する桜を眺めたり、
駆け抜ける車の窓に舞う桜吹雪を見るのが関の山。
華やかな場所へは向かない足だけど、
足下に咲く野花を観察し、
小さな春を探しています。
華やかさはないけれど、
可憐に重なる草花が春の風に揺れるように、
ジャズのスタンダードナンバー「テイクファイブ」が、
繰り返し重ねられるフレーズを5/4拍子に刻むことで
より鮮明に人の心に届くように、
無造作に重ねられた器の形象にだって
人の愛すべきリズムが秘められている。