「赤」のもつ意外な力


シェーカー様式の弁当箱については、
2020.11 / 6のブログで詳しく説明しております。
※インスタグラム(nomi_tonton)でもご覧いただけます。

そもそも華やかな色とは無縁で、
子供の頃から
地味な色合い(紺や灰色 et c.)の洋服しか着てこなかったような僕が
赤を用いるなんて思ってもいませんでした。

『自慢の』渋~~い、茶系の
オーバル弁当箱を娘に持たせたところ、
「おとうさん、これ地味~~~」と即答され、
しぶしぶ試作したのが朱漆だったのです。(女子高生からの評価⤴)

当初は、形もシェーカーオリジナルを周到していましたが、
揺れる電車内で浅い蓋(ふた)がはずれたことを耳にし、
深い蓋にリ・デザイン。
(高校三年間モニタリングしてくれた娘のおかげで完成した形です)


色は、「朱」と
大人にも好評な「赤」の2色。
サイズも2種類 揃えています。

その後、
赤い車を譲ってもらったことをきっかけに、

「赤」を避けることもなくなりました。

水戸の知人のもとからやって来たベルトーネ(マルチェロ・ガンディー二)デザインの
シトロエンBX。
この車で長距離の旅を続けていましたが、
BX乗りの云う「下血」(ハイドロからのオイル漏れ)が止まりませんでした・笑
全国各地の整備工場の皆様、
お世話になりました(故障話も旅の楽しい想い出です!)。
近くに専門店さえ有れば、
ずっ~~と乗り続けたかった車です。
















森からの贈り物

山を散策していると、
思わぬ造形美に目を奪われてしまうことも。

風に舞い落ちた小鳥の巣

小さな鳥は、
細い小枝を咥え



からだの大きさに合わせた大きさの巣が作られている。


「作為」と「無作為」の狭間に揺れる心中に、
「掌(てのひら)が教えてくれる形に従ってみれば!」と
鳥たちの詩(うた)が聞こえてくる・・・

教わらなくても巣の作れる鳥のように、
ぼくも自分の手を使いたい。
そんな願いを抱きながら、
「生命を支える形の美しさ」をじっくり観察してみよう!



亡き父は、長年 生物や植物の研究に取り組んでいましたが、
今頃になって、
もっと話しを聞いておけば良かったなぁ~と思ったりもする。



鳥の巣だけではなく、
森からは、様々な生命の詩が聞こえてくる。




霜のあたった、あったかい野菜たち

霜の降りたつ畑に育つ
寒い季節の野菜たち

葉に守られるように茎につく芽キャベツや


カリフラワー&ブロッコリーは、

あったか~~~い、スープに。





春菊、ネギ、大根、白菜は、

クツクツ煮る、鍋ものに。




寒い季節は草もはえないし、
虫君たちと交戦する必要もない!

畑の戦闘服?(笑)



寒~~い季節でも野菜の育つ
温暖な瀬戸内海沿岸に暮らしていると、
マイナス20℃の信州にいた頃の必需品(保存食)を作らなくなった。

あ~~~、
木曽の「すんき」や
シャリシャリ凍った野沢菜が食べた~い!















ひとつ、また ひとつ

専門校時代も(卒業してからも)、
そして今でも、
才能溢れる天才的な作家に出会うことがあります。

若い頃は他人の才能を羨ましがっていたりもしたけれど、
他人と比べてる自分ほど惨めな姿はないと省み、
今は亡き師(画家)に尋ねたことがあります。
師曰く、
「サラブレットにはサラブレットの生き方があるように
    駄馬には駄馬の生き方がある。
    どちらが優れているという考え方から離れて、
    役として考えればいい。
    案外、農耕馬には駄馬の方が向いてたりもする。
    地道な人の生活に役立つのは駄馬の方かもしれんぞ」

「ただし山本君、駄馬のように生きたければ長生きせんといかんぞ」と正されました。

以来、「才能」を「役」と言い換え、
これまで歩んできました。

ひとつ作って、
それよりも美しい次のかたちを求めてみる。
何事も直ぐには閃かない僕の手法は、
その繰り返しです。



そんな未完(様々な風合い)のうつわの中から美を見出してくださる
使い手の皆様のセンスに支えられながら、
これまでやってこれたわけです。



中には、
「ぜーんぶ違うから、逆に選ぶのが楽しみです」
とおっしゃって下さる方も・・・



僕は作りながら、
少しづつ意識を高め、
使い手の皆様は、
選ぶ過程で自らの美意識を確かめられる場になるなら、
これからのギャラリーの役目が、
よりはっきりしてきますよね!













瀬戸内の「青」

昨年12月の「しろたえ」展から
年をまたいだオカズデザインでの
オンラインストアが昨日で終わり、
ほっと一息。

天気予報で見ていた雪マークが
傘マークに変わるにつれ、
工房に響く雨音が、
春に先駆けて
移ろう季節を知らせてくれるようになります。

瀬戸内の海の「青」も、
間もなく
冬の海から春の海へと変わっていきます。








プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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