空と雲のエピローグ

つい先日見上げた夕刻の空。

 飛行機雲が発生しやすい条件が満たされてたのかなぁ?

 それにしてもね!

 驚きながら上空を見上げていると、
 近所の人達もみーんな空を見上げてた。
 春の日の岡山の上空を、
 飛行機ってこんなに飛んでたんだぁ~

 読んで字のごとく、
「空想」って絵空事を想うことから始まるもの。
 空を眺めていると、
 瞼にやきついている光景が、
 見上げた空をスクリーンに
 映し出されては消えてゆく。


空だけじゃない・・・
先週旅した「しまなみ海道」の海岸から見た
瀬戸内の空と海の境界線を眺めていると、
目に映る光景に僕の時間は支配され,
ついついその場から離れられなくなってしまう。

海と空が交わるブルーグレーのコントラストが美しすぎる。
漆の世界にあの水平線を宿すことなんて
できるものなのでしょうか。





山陰が面白い理由(わけ)

夏は日本海で海水浴、冬は大山でスキー。
岡山に暮らす僕たちにとって
最も身近なリゾート地と言えば鳥取県。

今年の冬は雪が少なかったので、
大山周辺でも積雪の多い鏡ヶ成スキー場に。
途中の道にも雪がなくてスイスイ行けたのでした。

鏡ヶ成はファミリー向けのゲレンデしかない
小さなスキー場だったけれど、
娘の練習にはとっておきの斜度。
平日だったこともあって、
ゲレンデは ほぼ貸し切り状態。
娘は休みなしで滑っていたけれど、親はへとへと⤵


冬の山陰の味覚はと言えば、
そう

        かに! かに!! かに!!!

        かに刺し!かにしゃぶ!!









瀬戸内海と違って波の荒い日本海ゆえ、

サザエの角(つの)だって 長ーい。



漁港に行けば、
今や高級魚になりつつある「のどぐろ」に

僕のお目当ての「ハタハタ」も。

聞いたことのないお魚、発見!

「イラ」???
どうやって食べるのだろう?!


「ばばちゃん」???????



月刊「専門料理」3月号

月刊「専門料理」を手に取ったのは 今回が初めて。
「専門」という文字を見ただけで、
プロの料理人に向けての本なのだろうと
恐れおののいちゃって、
自分のような素人には手が届かない内容の
料理本だと勝手に思い込んでいたのかも。

気の小さな人間は、とかく「圧倒的なもの」に弱い⤵
「専門」という文字を目にしただけで、
自分など(素人)は見ちゃいけないものだと思い込んでしまったりする。

それに似た思い込みはこれまでも
いっぱいあって、ほとほと 自分にあきれちゃう。
岡山の中心部にある「禁酒会館」は、
その素敵な佇まいから、
今や観光スポットにもなっている木造の洋館。
気になる建物ではあったけれど、
連日のように飲んだくれていた僕は、
「禁酒」という文字に後ろ指をさされるような気分に陥り(笑)、
決して足を踏み入れてはいけない場所だと勝手に思い込んでいたり・・・

思い込みの酷さは、天下一品(悲)!


「専門料理」3月号の特集は、【腕利きシェフたちの新作料理】。

その中に、東京(広尾)から岡山(牛窓)に店を移した
林 冬青さん(イタリアンシェフ)の料理も。
彼のことを紹介してくれたのは、
市内にある中国料理「はすのみ」の加藤さん。
美味しい味を知る料理人同志は、互いにリスペクトできるのかな?

東京(広尾)でイタリアと同じ料理をすることに疑問を感じていたという林さん。
店を瀬戸内に移したことで、
地元の食材からその土地の味を追求していくきっかけを得たのかも。
流通を疑い、
身近な素材から最善の味を求めるのが本来の料理人の姿。
それは、木工とて同じこと。
身近な素材を活かす手立てをほどこしていくことで
その場所でしか作ることのできないかたちがうまれてくるもの。
「地場産業」という言葉を先に立てると、ベクトルは違う方向へと向いていく。

林さんの料理にあわせたサイズ感の
白漆の楕円皿を一緒に考案しながら製作に挑みましたが、
料理人に学びながらうつわを考えることで、
自分の思い込みが消え、料理とうつわの関係性が真っ直ぐ見えてくる。
accaの定番メニュー【舌平目のパイ】を盛った写真が掲載されていますので、
本屋さんに寄る機会がありましたら是非ご覧ください。


※牛窓・オリーブ園の中腹にあるイタリアン「acca」
営業は夜のみで、1日1組(4~6人)コース料理のみ。
なかなか予約がとれないので、早目の予約が必要です。
フレンチのオーベルジュ形式(イタリアンだけど)で、宿泊も可


とりとめのない話

寒(かん)の時期にだけ好んで食べられる魚の代表が
ボラ(だと思う)。

この時期のボラは「くさみ」もなく、
刺身にしても脂がのっていて美味しいし(酢味噌との相性も抜群)、
アラはネギと味噌汁にしても、コクがあって温ったまる。

倉敷辺りでは 寒ブナをミンチにして、
ゴボウやニンジンと炊いて
アツアツのごはんにぶっかける「フナ飯」が郷土料理として有名。
どちらも「寒い時期しか食べない魚」ではあるけれど、
どんな魚だって
実は美味しい時期があるんですよね。
(スーパーばかりで買ってると、旬の味さえわからなくなっちゃう?)



あ! 
魚の話題で思い出した~

         「アトリエ木工房クラス」で登場した
          お魚バージョンのバターナイフ。
 
 パン皿も工房の教室で作られた作品です。
(初めて彫刻刀を握った方が作ったとは思えない出来映え!)
     
     



こちらの「カッティングボード」は、

自然の木の形をいかしたデザインで、
バケットだって切れちゃう長さ(約70㎝)。




デフォルメされたかのような柄が
印象的なスプーンも教室の作品。



そもそも「教える」ことが苦手な僕が
「アトリエ木工房クラス」(木工教室)でできることといえば、
個々の創作の自由を奪わないことに注意することくらい。
週末の工房に通われる方々の
自由な発想を引き出しながら、
創造することの楽しさを
共有できる場をつくることに集中しています。



一方、自分の新作はと言えば、

神戸の三ツ星レストラン「カ セイン」
のために考えたレードル。
スペイン料理の厨房で
シェフ&スタッフと打ち合わせながら
思いついたのが、この形。

つい先日は、
東京(広尾)から牛窓に店を移した
イタリアンの人気店「アッカ」のシェフに楕円の皿を提供したばかり。
(こちらの記事は、「専門料理」という本で紹介される予定)


自分の感性を信じることが作家にとっては大切なのかもしれないけれど、
それだけに頼っていては、
他人(ひと)の意見に耳を傾けられなくなったあげく、
自己中心的なものづくりに陥りかねない(笑)

ナルシシズムに溺る作家の作るものからは、
真の自分らしさが失われてしまいます。
自分を信じることと他者を信じることのバランス感覚を
併せ持つことが問われているようにも思えるのです。






















音楽とスカート

工房のB.G.MにはFMやCDを流しているけれど、
家ではもっぱらレコードばかり。
人の手によって操作された感の強い
CD(音源)では満足できなくて・・・
確かにCDには雑音もないし、
きれいにまとめられているけれど、
アナログな楽器の音からは遠のいていくような気がして(もっと高価な
オーディオなら違うんでしょうか?)。

僕が初めて手にしたLPレコードは、
ビートルズの【レット イット ビー】というアルバム。
ビートルズが解散するかも?
という噂が流れていた1970年頃のお話。

僕は 確か小学校5~6年生で、
近所の先輩が聴く洋楽にかぶれていた(笑)頃。
世は空前の「ミニスカ」ブーム!
ブームをはるかにしのぐ勢いで、
ほとんどの(本当です!!)女性が
ミニスカートをはいていた(ような気がします)。
そのきっかけは、
「ツィンギー」(本名/Lesley Hornby)と呼ばれる
英国のモデルがはいてきた膝上のスカート。
そのいでたちに 
世の男性はドキー!!!としたに違いない。
(18才のあどけなさも かわいらしかったしね)

Tレックスやエマーソン・レイク アンドパーマー、
クリーデンス・クリアウォーターリバイバルの
アルバムなんかを聴きなおすと、
その頃の出来事まで思い出しちゃうのだから音楽の力って凄い。

LPレコード(アルバム)の
ジャケットを眺めているだけで1日過ごせた!
なんて今じゃ信じられないかもしれないけれど・・・

こんなジャケット(ピンクフロイド)だって、
当時は斬新すぎて??? 酷評されたり?
この辺り(工房周辺)じゃ、ありふれた光景だけど・笑



初めて買ったアルバムはビートルズだったけれど、
僕はビートルズよりローリングストーンズ派だった。
今聞きなおしても、

やっぱりストーンズにしびれちゃう。





高校生になって行きつけのレコードショップの2階にあったカフェで(当時は、
「サテン」と呼ばれていて、「高校生は立ち入るな!」と注意されたり!本当です!!)
流れていたオスカーピーターソンのピアノの音色に心酔してしまった僕は、
それをきっかけにジャズのレコードを聴き始めるのでした。
(ジャズのジャケットが また、たまらなかった!)




田舎っぺーの僕が、
「タイトスカート」の事を知るきっかけも
アルバムジャケットからだった。
【おとなの女性~】って憧れていた(ような気がする)。



デジタル化する世につれ様々なオーディオ機器が発売されてきたけれど、
僕は、高校入学時の祝いに両親にねだって買ってもらった機器を
今でも修理しながら使っています。

当時のセット価格が15万円くらいの普及版にすぎないけれど、
その入学祝いがどれほど親への負担だったかことか(今なら、わかる)。
勿論、買い換えたいと思ったことは何度もあったけれど、
プレゼントに喜ぶ我が子に微笑みかける両親の顔を思い出すたび
躊躇しているうちに、40年の歳月が・・・

ハイエンドユーザー(オーディオの達人)にはなれないけれど、
僕には、このオーディオと共に生きてきた時間が宝物になった(ような気がする)。







プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

P R