山本美文展、初日の「本田」(終了しました)

岐阜「本田」で6月28日(土)から始まった山本美文展。
普段の白漆の器とともに、
店主自らがリノベーションしたギャラリー空間に
すっぽり納まるような器を求めて、
廃棄されかけていた漆器(木地)の下地をはがしたり、
漆を塗り直したり。
時代を超えた手仕事の息吹きを
再生の器からお届けします。

 器の再生に向けて構想を練る工房での様子は、
「本田」のブログからもご覧いただけます。
(撮影は、東京在住のカメラマン・谷藤貴志)




ゆがんだ器の形状や
はがれかけていた器の表情(テクスチュア)の中に
かつての職人の手仕事の跡を残こしつつ、
過去と現在の木工を繋いでいきます。



栗の枝をロクロで挽いた
中心円の木目の美しさを際立たせることで、
木という素材の持つ生命感を感じていただけるよう
仕立てた器のそばには、
店主がフランスから持ち帰った生活具も並べられています。





古い木製の仏像を納めるために
床の間の古材から組み立てた漆花紋箱。
箱の表面には、手による製材の木挽きの
あとが見てとれます。


フタを裏返せば、
置き床として仏像を置くことができます(拝)。






器の再生とは別に、初期ポラロイドカメラも
特別出品。

ポラロイドの発明者、エドウィン・H・ランド博士が
世界発のインスタントカメラとして
1948年に発明したModel95。
フィルムの生産がすでに終了しているため、
現行のピールアパートタイプのフィルム(フジフィルム)が
使えるように専用ホルダーをカメラに装着。
これにより現行のフジフィルムFP100(カラー&モノクロ)で
当時のレンズの写し出す世界観が楽しめます。


革の専用ケースの中には、
当時のストロボやロールフィルムと
説明書一式が入ったままの状態です
(こちらの方は、珍品なのだとか?)。



山本美文展OUR RENOVATIONは7月13日(日)まで。
会期中休業日 7月1日(火)・8日(火)
OPEN 11:00-19:00
是非お立ち寄り下さい。

                山本美文









山本美文展 OUR RENOVATION(終了しました)

2014.6月28日(土)ー7月13日(日)
OPEN11:00-19:00
<作家在廊日>6月28日(土)
<会期中休業日>7月1日(火)・8日(火)
<場所>「本田」 岐阜市上太田町1丁目7醸造会館1F(P2台有)
tel +fax 058-264-2980
http://hondakeiichiro.com

醸造会館の一階に佇む「本田」に足を踏み入れた瞬間、
6月の作品展は、
店主とのコラボ展の様相を帯びることになる
と直感しました。
自らの手でリノベーションされた
ギャラリー空間の窓辺に差し込む光の下には、
店主が5月のパリで探すフランスの生活具も届くという。
僕は、地方で途絶えていた漆器の木地や
木製のオルガンなどを漆で再生して
「本田」に並べてみたいと思います。
                 山本 美文

出展予定の修繕(再生)の品

漆を塗り、ラデン(あわび薄貝)を刻んだカトラリー



五月の月曜日。
美文さんの工房に入ると、
バンドネオンの音楽が風に乗って流れていた。
瀬戸内の傍、ここでは柔らかく丸い時間が静かに過ぎている。
あるべきところへ収まり、
整頓されたアトリエの風景は、
透き通った水のように清らかで美しかった。

使い勝手を考えると、自然に生まれるデザイン。
心地良く使えたら、
必然的に出番は増えて、そのモノを愛おしく思う。
そして、
日々使われるものは
「美しさ」をいつの間にか備えている。

美文さんの木工と生活は、
瀬戸内の海で傍でつくられ、
今日も同じ瞬間を刻んでいく。

今回は、
捨てられていた旧い漆の下地(椀)を修繕して
新たに命を吹き込む漆器が中心に並ぶ。
下の写真は、
長野県の古い小学校の音楽室に眠っていたオルガン。
漆が塗られ、
再び美しい姿を取り戻した時に
どんな音色がするだろう。

アワーリノベーション
シェーカーも、修繕された道具や漆器も、
僕がフランスで出会った古道具も、
全てが時空を越えて、
ひとつの音色が奏でられることを願って。   
             
            本田 慶一郎



        











日本の古道具や楽器を漆で修繕した品々の他にも
定番の白漆のうつわを出展します。




また、5月のパリで本田さんが買い付けた
フランスの古道具も並びます。

初日(6月28日)在廊予定。
日々の暮らしの道具から過去と現在を結び、
これから先(未来)の手仕事の方向性を探ってみたいと
思います。「本田」の空間とあわせてお楽しみ下さい。
お待ちしております。

岐阜「本田」の佇まい


6月28日から個展を頼まれている岐阜の「本田」。
以前の長屋のような佇まいも好きだったけど、
移転先の「醸造会館」と呼ばれる静謐な空間を
見事なまでに作りあげた本田さんのセンスに
感心しきり。
築約70年という時の刻まれた場所での
空気を吸っているうち、
ものづくりという観点から
時空を越え、
過去と現在と未来をつなぐような
作品展に挑戦してみたくなりました。


木のきしむ音が響きわたる部屋の片隅には
ピアノが一台置かれていました。



こんな素敵なコーナーもあるのだから、
「本田」でしかできないようなことをしたいな。
次々無理難題を頼んだにもかかわらず、
本田さんは終始笑顔で話を聞いてくれましたが、
オーナーとしては、これからが大変かも。


岐阜市をあとにし、道中で地元のハチの子ご飯や
笹ずしを食べ、温泉につかってその日はキャンピングカー泊まり。
翌日は多治見の百草まで。
オープンまで時間があったので
百草の明子さんからススメられた修道院に


修道院なんてはじめて!


外にはワインを造るためのブドウ園が広がり


あ!中庭に素敵なドア発見!!
そうこうしているうちにあっという間に時間は過ぎ、百草に。


百草の雅信さんと約束していたドライブは
車が機嫌をそこねちゃって、
ちょっとしたお散歩に。

                    山本美文

シェーカーの知恵袋

18世紀後半から19世紀にかけて、
アメリカのシェーカー教徒が作りあげた
簡素で端正な生活具の美しさは、
時代を超え
人の心を惹きつけてはなしません。

ものづくりと生活が一体化していたと言われる
シェーカーヴィレッヂでの暮らしぶり。
たとえ宗教を持たなくとも、
自らの姿勢を正さなければ
ものづくりの本質は何も変わらないということを学びました。

製作過程においても、
単にシェーカースタイルの形をなぞるのではなく、
シェーカークラフツマンの
木工に対する姿勢を学び取り、
生活に寄り添うものづくりから
商業主義に傾く現代のものづくりに
一石を投じてみたいものです。


オーバル弁当箱
シェーカーのオーバルボックスをリ・デザインして
拭漆の弁当箱に(奥はオリジナルの習作作品)。


スクエアキャリア
ティッシュケースとしても使えるように
サイズと持ち手の位置を換えてみました。
カトラリーケースとしても活躍。


壁掛け用の鏡
鏡の角度を紐で変えられます。
鏡の下には直径9mmの小さなペグ。


壁掛け用のカップボード
他にもシェーカースタイルの生活具については
季刊誌「住む」17号の
特集「誠実なデザイン」で
シェーカーへの取り組みについて
取材を受けています。
(17号の表紙は僕の工房です)。

               山本美文

春を待つ白漆のうつわ


工房周辺に何年ぶりの雪、
それも2月に2度も降るなんて。
雪の日には細いタイヤの2CVが
スリップする車をよそ目に
パタパタとよく走る
(ふだんは追い越されてばっかりだけど)。




降りつもる雪のような真っ白ではないけれど、
工房で春を待つ白漆のうつわたち





















プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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