パンセ (手仕事のうた)




他人(ひと)と比べることでしか自分を評価できず、
夢ばかり語っていた若き日々。
さりとて、
苦くつらい思い出ほど甘く、
甘かった思い出の方が ほろ苦く思い起こされる。
年令のせいでしょうか・・
時の魔法にかかってるとしか思えない。











手仕事に従事し、
日々の鍛練を続けている若者の指が
歪んだ職人の指に。
自らの指のかたちを変え、
魂を据えた弟子が独立へと導かれていく。













華やかに振る舞う「ハレの日」がもてはやされ、
日常に身をゆだねる「ケの日」が失われていく。

「ハレの日」を指折り数える日々にだけ  幸せは満ちてゆく。













おじいちゃんの手作りする「孫のための椅子」は、
世界共通の形におさまっていく。
愛情が形作るものは総じて美しく、
転びにくく丈夫な作りは必然性に満ちている。
作り手が使い手に愛情を注げる心の美しさがものの形にまで反映し、
「用の形」を完成させる。
無償の愛に勝るものはない。











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山本美文アトリエ
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