名作椅子に合わせた食卓や机の依頼を受けることがあります。
時代背景やデザインコンセプトがはっきりしている名作椅子ゆえ、
先ずは時代背景の「お勉強」から・・・
その間待っていただける気の長い(心の広い)方からの
注文でなければ受けられない仕事。
先日、納品したテーブルと
ウルムスツールを組み合わせた写真が工房に届きました。
「とても気に入ってます」といった内容のお手紙まで添えて頂き、
ほっと胸をなでおろしています。
当初は、ウルムスツールに合わせて
薄手のテーブルを構想していましたが、
「作業机としても使いたい」という要望に備え、
厚手の天板と脚の中に
「いかに違和感なく薄手のウルムスツールを収めるか」に頭を悩ませました。
75㍉角(厚手の角材)から木取った脚を五角形にし、
その一面(左右あわせて2面)をスツールの板厚にそろえることで、
「眼の錯覚」を利用。(脚がスッキリ見えるように仕立てています)
(天板)和歌山県産のヒノキ
(脚部)岡山県産のクリ
今回はスツールだったので、
「後ろ姿」はありませんが、
テーブルと椅子をとり合わせる時は、
「椅子の後ろ姿」に気を配りながらデザインを進めていきます。
(テーブルに収められた椅子は、後ろ姿しか見えませんから・笑)
(クルミのスピンドルチェア)
(イグサ・ヘリンボーン編みの肘掛け椅子)
(ボーエ・モーエンセン「シェーカーチェア」に取り合わせた食卓)
人の立ち姿同様、
「後ろ姿」の佇まいに、
人(品)格は見え隠れするもの。
素敵な後ろ姿に恋されるような椅子を作ってみたい・・・
そう言うぼくは、無防備な作業着(後ろ)姿の毎日です。