「重陽(ちょうよう)の節句に合わせて、袴(はかま)を作って欲しい」
「重陽の節句?」・・・???
「袴?」・・・???????
僕には全く理解できないオファー(依頼内容)に、
返事さえすることができず、無言に。
企画者(福光屋・東京丸の内店)から聞くところによれば、
9月9日は、中国から伝来した五節句の内のひとつ。
3月3日、7月7日同様 奇数の重なる縁起の良い日とされ、
陽の数が最も大きい9月9日を「重陽」と呼び、
健康と不老長寿を願う日なのだそうです。
その行事が平安の世に伝わり、
薬効をもつ季節の花「菊」をお酒に浮かべたり、
「燗(かん)酒始めの日」として
日本でも祝い酒を振舞う習慣が残っているのだとか。
「袴」とは、燗酒用に使う徳利をのせるためのコースターのようなもの?
失われてゆく温め酒の文化と共に忘れられつつある「徳利袴」を
現代の道具として再考してほしいという依頼内容だったのです。
「重陽の節句に合わせた袴」
という言葉の意味をようやく理解し、
徳利袴に代用できる白漆の小鉢を作ってみました。
(入れ子の白漆小鉢)2ヶ1組 ※限定10組
〈大〉直径105㍉・高さ50㍉
〈小〉直径 90㍉・高さ45㍉
2020.9.5(土)―13(日)
「徳利袴と温め酒」展
福光屋・東京(丸の内店)
(出展)池谷美奈美〈ガラス〉
西原亜也〈古物〉
山本美文〈木工〉
塗り方は様々
大小お好きな組合せを選んでください。
菊の花を盛るための
黒漆のうつわも一点作っています。