岐阜・本田「山本美文展」 作品とパンセ


岐阜市の「本田」で開催中の個展会場に在廊してきました。
(会期は、7/12まで) ※木・金休み


厳しい社会情勢下にもかかわらず、
たくさんの方々にお越し頂き、
感謝の言葉しか思い浮かびません。


白漆のお盆や膳は、
残り数点しかございませんが、

   ※7/4日に、2点追加しました。

会場でお会いできない方々に向けて
書き留めた、
日頃の思いを
パンセというかたちで
まとめてもらいました。



フランスの教会で使われていた
ベンチに腰掛け、
冊子に目を通していただければ幸いです。















そもそも 美しいものの形が存在するのではなく
それを美しいと感じる人の心に美は宿るもの
時を結び
美を伝承する鍵は
いつだって
君の心の中に置かれている













澄みきった空
白く輝く砂浜が
凪いだ海に霞む

波打ち際に続くぼくの足跡だけが

ひとつ

またひとつ

満ちてくる波に

消えてゆく

















夏の食卓に欠かせない枝豆くん

梅雨の間にドンドン成長する畑の野菜たち。
野菜だけ育つならいいけれど、
雑草も・・同じように元気だぁ・・・

夏場になると、
毎日のように素麺(ソーメン)をすすっていた
亡き祖父の遺伝なのか、
暑くなるとソーメンやひやむぎが恋しくなる。

薬味用に欠かせない大葉とネギ。
(写真は、大葉とズッキーニ)


もちろん、
トマトベースの冷たいパスタも外せないので、


トマトの脇にバジルを育てている。

ビールのつまみ用の枝豆くんは、

絶対欠かせない夏の定番おつまみ(ただ、茹でるだけ・笑)


ゴーヤチャンプルも、
全国的に知れ渡った一品。
コンビニでも買えるようになった
オリオンビールを添えれば、
沖縄の海だって連想できる・笑


あっ、雑草に隠れるように、

今年もスイカくんが育ってます、育ってます。

デザイン論を消化する

「バウハウス時代のウルムスツールに合うテーブルを作って欲しい」
   という依頼(宿題)を受けていました。

ウルムスツールをスケールアップさせただけのテーブルでは、
デザインの盗用になりかねないし、
自分の役目を試すことにもつながらない・・・

只、バウハウスのデザイン論を
自分なりに消化しなくては
とっかかりにさえ歩み寄れないので、
バウハウスについて勉強し直しました(汗)

 注文を受けてから、
 その間待ってもらうことに。

バウハウス・デザイン論を頭の片隅に置き、
テーブルを妄想し続けていると、
ある日(突然)、
ウルムスツールをセットした
テーブルの青写真が頭に降りてくる日がやってきた~~~
(一年以上かかっちゃいましたけど・・・)

そうなれば、しめたもの。

頭の中の青写真から
図面を起こし、
模型にしていきます。

作業にも使われるとお聞きしていたので、
丈夫だけれど、
きりっと直線で構成できる五角形の脚を考案。


天板は、
ウルムスツール(針葉樹)に併せ和歌山産の檜(ひのき)、
脚は、
岡山県産の栗(くり)の木で

 模型を完成させます。
(4客のウルムスツールが収まるサイズに)


後は、
模型を基に
日本の気候風土に合った組み手(蟻桟&ほぞ組み)で
実寸にスケールアップするだけ。

先日 塗装を終えたテーブルを
九州に納品しました。














パンセ

「本田」の10周年を祝って、
工房で書き留めたパンセを30篇ほど届けました。

手仕事の合間に、
その時々の心情を「なぐり書き」しただけの文面ゆえ、
「詩」と呼ぶにはおこがましいし、
「短章」と呼べるほどの深い内容もありません。
ただ、
時流に流されない(自分が自分らしくある)ための
碇(いかり)を下ろすような作業です。

30篇の内から何点かを選んで
冊子にまとめて下さるそうです。
拙い文面ですが、
手仕事に由来するパンセが
来場してくださる皆様に届きますように(願)


                 
                  「本田」にポツンと置かれていた
                     片足の折れた聖人像を工房に持ち帰り
                     修繕して以来
                     雨の日も風の日も
                     ぼくの仕事を見守ってくれている










               
                 ベレー帽につぶらな瞳の彼
                 ぼくのベレー好きを知ってか知らぬか
              「岡山に連れて帰ってもらえたら嬉しいです」
                 と店主に誘われ
                 パリから岐阜経由でやってきたテディベア
              「ボンジュール、異国の職人さん」
                 隣に寄り添う甘~い視線の彼女がぼくに微笑みかけてくれる













         
                     技巧に溺れず
                     伝統に甘んじないよう
                     日々の修練に身を尽くす

                     理念に捉われず
                     あらゆる場面でノンポリシーを貫くために
                     目を閉じ
                     孤独をうたい
                     生活を賛美する











            木の葉から滴る雫に差し伸べる掌のかたちが
            うつわのフォルムを写しだす
            生命の欲求は
            時に
            かたちを通し
            命を結ぶ









            天然酵母のパンをこねる職人の手
            海上でバランス良く網を引く漁師の手
            農薬に頼らず雑草をむしる農家の手
            誠実な仕事には少しの辛抱と根気が必要だ
            それでも
            便利さにかまけず
            手仕事に従っている限り
            仕事への向上心が涸れてしまうことはない






【profile】

「低空飛行を愉しむ」が信条

    誰よりも低く
    地面スレスレを飛び回っていたい
    いつだって
    一番遠く離れた場所から青空を見上げるために
         
                                        




















工房の食器棚から

6 / 27日から始まる岐阜・本田のテーマ(宿題)は「お盆とお膳」

居間(家族が共有する場所)を広く据える現代建築では、
独りの時間を愉める場所まで失われてしまいがち・・・
でも、
工夫次第で(お盆やお膳を使えば)、
目の前に、
独りのための小さな空間が簡単に作れちゃう!



食器を運ぶための道具から
独りの空間を切り取るためのアイテムに。

膳と(自分好みの)うつわを揃えれば、
お酒の時間だって
グッと満足感が増します。
(工房の食器棚から実践済み・笑)


「おうち時間(大人の時間)」を愉しみましょう!


プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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