岐阜での個展を終えて

無事、岐阜「本田」での個展を終えることができました。

厳しい社会情勢の中、
会場まで出向いて下さったり、
各地からお問合せいただいた皆様に心より感謝致します。

「本当に、ありがとうございました」


冊子(パンセ)に載せた一節は、
開催さえ危ぶまれ、
盆や膳を製作しながらも、
これらの作品を本当に岐阜に届けられるのだろうか?
という不安から
なかなか手を動かせずにいた
4月初旬の心持ちを書き留めていた文です。
                 
                   ↓

手洗いやうがいを心がけ、
もし、病に冒されれば医者にかかる。
それ以外にぼくたちには何ができるのだろう・・・
たとえ この命が断たれたとしても、
それも自分の運命として
日々の暮らしを淡々と生きていたい。

社会情勢をよそに
季節は確実に時を受け入れ、
間もなく桜の季節を迎える。
「桜まつり」は中止されても
移ろう季節に心を寄せ、
車窓から眺める山間の桜に思いを馳せたり、
桜並木の下を歩くだけでも時は刻まれていく。
2020年は、
ぼくたち一人一人の心の持ちようが問われる年になりそうです。



冊子(パンセ)の「まえがき」では、
本田さんが、お店をopenした頃のエピソードや、

冊子を編集してくれた奥様「メグちゃん」の

「編集後記」まで。

ありがとうございます。
お二人からの心遣いに励まされながら、
同じ時代を共に歩める幸せを感じています。

ハルカナカムラさんのピアノの音に、
本田さんが僕のパンセを朗読して下さる予定だった
オープニングは持ち越すことになりましたが、
いつか実現しましょう!

昨年の12月に招かれた岡山での
「ハルカナカムラ+田辺玄」orbe演奏会の終了後、
夜の駐車場でノートに綴った文は、
今回の冊子には載せておりませんが、
約束した朗読会を必ず実現させるために(心に言い聞かせるために)
ここに書き留めておきます。

               ↓

暮れゆく海を見渡せるカフェで、
まもなく始まる演奏会。
陽が落ちるにつれ、
霞んでゆく瀬戸大橋と四国の山並み。
瀬戸内海を一望できる窓際には
クリスマスに肩を寄せる恋人たちが並んでいるので、
ぼくは、
西の窓越しに点る街の灯りに目を移しています。

ぼくがサンタなら、
クリスマスさえ忘れ、
日々の暮らしに身を尽くす人を探して
プレゼントを渡すだろう。

肩を並べ、
語りかけるようにピアノを奏でる
音楽家の白い指に祈りを捧げながら、
街の上空を訪ねてくるサンタクロースを探しています。
         
                               ベルクにて
                                      山本美文




                                       
                                         











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