安藤忠雄「木の殿堂」

連日の猛暑に耐えかねて、
兵庫県の北部、香美町まで避暑に出掛けてきました。
標高650メーターに建つ「木の殿堂」は、
建築家・安藤忠雄による設計。



【安藤忠雄=コンクリート打ち放し】
といった先入観にとらわれずに全体像がとらえられる分、
建築家の意図するコンセプトや理念が 
より鮮明に伝わってくるように感じます。


アプローチから素晴らしい!






外壁のディテールは、
ピラミッドのよう。








建物の中心からは、空が見上げられます。








建物内では、
世界の木の建築物の模型の他、
木の生活具や工具が展示されています。
(写真許可願いを書けば、建物内の撮影・可)

館内で関心深かったのは、
設計者の描いたスケッチ画。





場所のもつ力を感じ取りながら
自らの建築物を自然に融けこまそうとする力学と
人間の創造力を膨らまそうとする力学がせめぎ合って、
ひとつのかたちが導き出される設計の過程
(振り子の原理)まで感じとれます。
建築物は、
小さくなればなるほど、
設計者の意図するコンセプトも凝縮されていて、面白い。



自然と共有していることを感じ取れる場を設計するのが、
建築家の仕事なら、
森と暮らしを直に繋ぐのが木工の仕事。

「木の殿堂」内は、
シェーカー・ジャパンの家具が使われていました。



遊具広場には、シェーカー・ジャパンの椅子の他に
リートフェルトの椅子(写し?)と
安藤さん御自身がデザインされた
ハイバックチェアも並べられていました。



オリンピックメインスタジアム問題の
火の粉を浴びている安藤さん。

そもそも、コンペはデザインを決めるための審査。
一般的に値段交渉は、
選ばれた建築家(事務所)と施主(国)が進めること。
予算が合わなければ、当然
デザイン変更だって応じてくれた筈です。
ところが現実には、
時間の経過と共に予算が膨らんでいったという・・・?

一体 この公共事業(予算を膨らますこと)の
裏で「いい思い」をするのは
誰だったのでしょうか?

お金に群がる人間の欲とスポーツマンシップは、
本来 水と油のようなもの。
オリンピックの理念に従うのならば、
既存の施設で
オリンピックをもてなせば、
要領を気にしなくても良かったはず。

格好ばかり調(ととの)えてみても、
「よそいき」の出で立ちは、成金趣味で格好悪い。

感動は装いとは別の場所、
いつだって
競技場のピッチ上で生まれるのですから。






















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