深い霧の朝

昨晩からの深い霧が
朝まで続き、
早朝の海は
静寂に包まれています。
工房の窓も白いトーンにかすみ、
沖を行く船の警笛が響いてきます。



工房のレコードに針を落とし、
17世紀に作られた古楽器(チェンバロ)の音に
耳を澄ませながら
カフェオレを小さな鍋から注ぎます。

もうすぐクリスマス。




明日(12/22)から始まる松江での作品展では、
普段の白漆に加えてXmasに向けて
赤い漆の器を数点出品します。

シェーカー様式のベンチやオーバルボックスも
現品限りで用意致しました。

初日は特急列車「やくも」で松江を日帰りし、
27日のFLAVEDOの一日cafe、
28日の細川亜衣さんによる食事会を楽しみに
再度 松江を訪ねるつもりです。
(※食事会の予約席は満席になっているようです)


山本美文木工作品展 「白い器、朱い器」
2018.12.22(土)~28(金)※会期中無休
13:00-18:00
(場所)DOOR      松江市上乃木1-22-22
        (0852)26-7846

12月・作品展(松江市・DOOR)のご案内

 

山本美文 木工作品展「白い器、朱い器」

2018.12.22(土)~28(金) open 13:00-18:00
         ※会期中無休
             (場所)DOOR 松江市上乃木1-22-22
                 (0852)26-7846
                  doorst.2134@gmail.com

山本美文さんの作品は、
暮らしの中で使われる道具としての美しさがあります。
~美は有用性に宿る~
美しい道具を手づくりしていたシェーカー教徒から多くのことを学んだと。
よき手仕事は、日々の暮らしに歓びをもたらす。
そんな工房から生まれる木の作品たちです。
今回は、Xマス・お正月と特別なハレの日にふさわしい、
白漆&朱漆の器を中心に山本さんの心豊かな世界をご覧いただけます。
          
          DOOR・高橋香苗

27日(木) FLAVEDO 鶴見昴さんによる一日cafe

28日(金) 料理家 細川亜衣さんによるお食事会

※上記二つのイベントに関しては、 
 DOOR店主・高橋香苗のfacebookページ上で
 12/10(月)10:00に詳細がアップされます。
 (予約方法等々、そちらからご覧ください)



レコードラック(shaker style)


僕の「レコード好き」を知ってか?
「シェーカー家具のような軽やかさの感じられるレコード専用ラックを作ってほしい」
という注文を承りました。
難題は、天板の上に置かれるプレーヤーより重さのかさむレコードの重量。
(レコードって寄せ集めると案外重いんです)

レコードの総重量に耐えうる棚の厚さは35㍉。
普通に組み上げると、ぼてっとしちゃいそう~~~
何度もデザインを起こしては考え抜いた末、
厚い板を軽やかに見せるための工夫として、
面の構成を利用して※「視覚的なトリック」を取り入れてみることに‥       

※ >-<より<->が短く見える等々の目の錯覚を応用したデザイン



他にも、レコードの対敵「カビ」の対策として
風の通り道を確保したり、
釘や金具を使わず、
蟻桟付きの棚板が側板の反りを留め、
側板の蟻桟に天板の反り留めの役を担わせたり。
(日本の気候風土に適した伝統的工法で組んでいます)


軽やかなデザインに仕立てたものの、
胡桃(くるみの35㍉)材を組み上げると、
見た目以上の重さに
手や腕まで重量を錯覚しまう始末(笑)  
梱包作業でも汗をかきましたぁ~



アナログレコードは、
オーディオを組むことで、
自分好みの音を作る愉しさがあります。

秋になると何故かしら聴きたくなる愛聴盤


(高校生の頃は難解に?思えた)
コルトレーンの楽曲に痺れたりする
心の移り変わりに
時の流れを感じたりするのも、歳のせい?












 



ルーティーン?

自宅から工房まで歩いて50歩。
通勤時間でもあれば、
その間に仕事への心準備もできそうだけど、
数秒での気持ちの入れ替えができるほど器用ではありません。

知らず知らずのうちに、
ルーティーンが出来上がってしまってるようです(笑)

先ずは、

自宅と工房の間にある畑で、
雑草をむしりながら害虫チェック&水やり。


工房の鍵を開けたら、
朝日のあたる窓から新鮮な空気を入れ、
 
香台にのせた「お香」に火を入れます。
(工房に立ち込める香りが僕を仕事モードへと誘ってくれます)

嗅覚に併せて、

古楽の音色(聴覚)にも心を寄せながら

その日取り組む仕事の手順を頭の中で繰り返し、
気持ちを整えていきます。








掌(たなごころ)

鉋(かんな)の刃を研ぐことなく
機械加工で木製品を大量生産できるご時世。
その流れに逆らうかのように、
手仕事を信条にモノ作りを続けることには難しさもあります。

丁寧な手仕事を重んじるなら、
「売ること」より向上心を信条に掲げ、
自らの手の感覚を磨いていくしかありません。
しかしながら、
木と手の相性(の良さ)をうたう木工が、
ウレタンフォームやプラスチックの工具を使っていては
信条そのものにほころびが生まれかねません。



木の工具を使いながら
木肌の感触や素材の特質を
手のひらに覚えさせることの方が大切です。








工具ほどハードな使われ方はしないとしても、
カトラリーだって「暮らしの道具」ゆえ、
使い勝手が必須アイテム。





















プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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