鍋の柄を鉋(かんな)仕上げに


金属製の鍋は丈夫だけれど、
鍋から熱が伝わり易いので、
古くから日本の家庭用の鍋には
熱の伝わりにくい木製の柄が使われてきました。

欠点は、熱で木が収縮してしまい、
すぐにグスグスになっちゃう点・笑

何度か直していくうちに柄が短くなってきたので、
長めの柄に取り換えることに。

鋸(のこぎり)と鉋(かんな)があれば
誰でも簡単に直せるけど、
鉋を持ってる人って限られちゃいますよね?
「鍋の柄」修理店を開設すれば、喜ばれるかも?
僕の工房では受け付けていませんが、
探せば、きっとどこかにある筈。

久しぶりに「丸棒削り台」を出して、
柄の部分を鉋(かんな)で削り出してみました。
手仕事って、楽しい!
まん丸にならないから、揺らぎもあるし、
鉋痕が滑り止めにもなってる。一石二鳥!

鉋さえ使いこなせれば、誰だって修繕できます。

               (大)(中)(小) 大きさいろいろ

                                    形もいろいろ

                   掌に収まるような可愛い鉋も


鉋の台を直すための鉋があります。
日本の職人ならではの発想なのでしょう!
「台直し鉋」と呼ばれています。


鉋の刃を研ぎ、台を直していくうちに、
刃が短くなり、台も薄くなって、
その道具の役目を終えます。(右手が使い込んだ鉋)


「徳利袴と温め酒」展 / 福光屋(東京・丸の内店)


9月5日から始まる「徳利袴と温め酒」展案内用の写真が届きました。

1968年、福光屋が俳画家の小松砂丘に、
絵付けを依頼した徳利が乗せられた白漆の「袴」(限定10セット / 2個1組)
送られてきた写真には、
「入れ子のひとつに徳利、もうひとつにお料理(おつまみ)というのもいいですね」
というメッセージが添えられていました。

2020.9.5(土)-13(日)
【徳利袴と温め酒展】
福光屋(東京・丸の内店)



「重陽の節句」に振舞う菊酒用に菊の花を盛るためのうつわも出品します。


併せてご覧ください。


                                                   (写真提供:福光屋 / 安齋真佐樹)

重陽の節句(9月9日)

「重陽(ちょうよう)の節句に合わせて、袴(はかま)を作って欲しい」

「重陽の節句?」・・・???
「袴?」・・・???????
僕には全く理解できないオファー(依頼内容)に、
返事さえすることができず、無言に。

企画者(福光屋・東京丸の内店)から聞くところによれば、
9月9日は、中国から伝来した五節句の内のひとつ。
3月3日、7月7日同様 奇数の重なる縁起の良い日とされ、
陽の数が最も大きい9月9日を「重陽」と呼び、
健康と不老長寿を願う日なのだそうです。

その行事が平安の世に伝わり、
薬効をもつ季節の花「菊」をお酒に浮かべたり、
「燗(かん)酒始めの日」として
日本でも祝い酒を振舞う習慣が残っているのだとか。

「袴」とは、燗酒用に使う徳利をのせるためのコースターのようなもの?
失われてゆく温め酒の文化と共に忘れられつつある「徳利袴」を
現代の道具として再考してほしいという依頼内容だったのです。


「重陽の節句に合わせた袴」
  という言葉の意味をようやく理解し、

徳利袴に代用できる白漆の小鉢を作ってみました。

(入れ子の白漆小鉢)2ヶ1組    ※限定10組
                          〈大〉直径105㍉・高さ50㍉
                          〈小〉直径 90㍉・高さ45㍉                                                 
                                



2020.9.5(土)―13(日)
「徳利袴と温め酒」展
福光屋・東京(丸の内店)

(出展)池谷美奈美〈ガラス〉
               西原亜也〈古物〉
               山本美文〈木工〉



                     

 塗り方は様々              
 大小お好きな組合せを選んでください。



   





菊の花を盛るための

   黒漆のうつわも一点作っています。

収納しない暮らし



使い込むほどに美しさを覚える最低限の生活具さえあれば、
それで十分。



消費国家に暮らしながら、
モノを増やさないためには
「ちょっとした心構え」が必要です。

「好きなものだけしか家に持ち込まない」努力と



「収納スペースに甘えない」覚悟・笑



「どこでもポッケ」



夕暮れ時(どき)、
近くの川に写り込む夕焼けの美しさに
思わず立ち止まり、
陽が落ちるまでの間の
空と雲の様子を眺めていました。


画家のように、
心に留めた場面をスケッチする力を持ち合わせていない ぼくは、
刻々と移ろう夕焼雲を目に焼き付け、工房に。

漆室(むろ)の前に腰掛け、
「夕焼雲のいろ」と念じながら
心象ポッケに据えた色を
小舟のようなお皿に塗ってみます。


「心象ポッケ」=「どこでもポッケ」???
「山本美文アトリエ」あらため、「ドラえもん工房」に改名すべき?(笑)
























プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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