「別れ」と「出会い」


今月末の車検時で廃車にするつもり
だった仕事用運搬車。

屋根裏(オープントップ)のベッドを寝床に、
全国各地を巡りました(24万㌔走行)
   ※初期型のマツダ・フレンディのみにラインナップされたキャンピング仕様車。
    後部座席横に、流し(シャワー)・ガス台・小さな冷蔵庫も装備されてます。
    ビジネスホテルに飽きた僕の petit hotel
    食材を現地で調達し、
    地酒を吞み比べるのが
    個展期間中の楽しみにもなりました。
    

 昨日までの旅先で、
 この初期型キャンピング仕様を
 探してる人と巡り合い、
「抹消登録寸前(ポンコツ)でよければ」と、
 喜んで差し上げることに。

「ただ、ぼく、ここから岡山に帰れませんね・・・」
 と小さな声でつぶやくと、
「この車で帰ってください」
 と差し出されたグレーのワゴン車。

 旅の途中で、
 車の物々交換が成立しちゃいました~(驚)

 
約8時間ほど 雨の高速を走行しながら帰りましたが、
フルタイム4WD(スバル)ならではの
安定したハンドリングに感心しきり。

「車との出会いは、ひとめ惚れのようなもの」と
 言われたりしますが、
 まれに
「お見合い」のような物々交換もあったりします(笑)


胸が引き裂かれそうになる人との別れとは異なり、
切なくも嬉しい旅先での車との別れ(&出会い)に、
巡り合い引き寄せられる「ご縁」を感じたのでした。






(小黒三郎 × 山本美文) at スロウな本屋


岡山市内の「スロウな本屋」でのお話会、第2弾。

   2019.8.3(土)
   13:30-15:00
(場所)スロウな本屋 / 岡山市北区南方2-9-7
(参加費)¥2000
(定員)20名【満席になりました】
※申し込み方法・詳細な内容等につきましては、
 スロウな本屋HP(イベント欄)からご覧下さい。


倉敷を拠点にご活躍されてきた組み木デザイナーの小黒三郎さんが、
8月半ばに故郷の鎌倉に帰られることになりました。
倉敷での仕事に幕を下されます。
初個展の会場で(約30年前に)声をかけていただいて以来、
小黒さんのアトリエで耳にする一言一言から
多くのことを学ばせてもらいました。
(スイス・ネフ社とデザイン契約され、国内外の美術館に
 永久コレクションされる小黒作品のデザイン観を
 生で聞ける喜びをかみしめていたのでした)

引っ越される直前のお話会になります。

僕の話はひとまず、
小黒さんのデザイン観に耳を傾けて小黒デザインの秘密を知って欲しいです!

梅雨を愛でる漆の仕事

梅雨を嫌がる人も多いけれど、
農業を(家庭菜園でも)経験したことのある人であれば、
恵みの雨に感謝しているはず。

漆の仕事がはかどるのも この季節。
室(ムロ:温度&湿度を調整できる部屋)に入れなくても、
漆が硬化する条件が整ってるから。


工房で活躍する扇風機は、
20代の頃から使っている金属製の3枚羽。
旧い扇風機は、何年経っても壊れない。
(壊れたとしても、修理できる)

電子制御付きの便利なものは、
便利な機能から次々壊れていく。
(修理より買い替えを勧められ、粗大ゴミに)


長持ちするものは美しい。
ひとつのものを永く愛せる人の心持ちは、更に美しい。


週末のレッスン(木工教室)を終え、
受講された方との一服タイム。

晴れた日ならば、

お茶セットをオーバルボックスに収め、
坪庭の紫陽花を脇に
瀬戸内の陽光を浴びるのも至福の時間だ。
     (急須:菅沼淳一・作)




クルクル回るのは、

扇風機ばかりじゃない。
レッスン中に流しているレコードも!
(何十年経っても壊れないターンテーブル)

古楽器(ヴィオラ・ダ・ガンバ)の音が
一筋の光を放つかのように、
坪庭の紫陽花を照ら出してくれます。


知らない街に恋して

木工を学んだ信州から故郷の岡山に帰って21年目?
「知らない街を転々と流れて生きたい」と願っていたはずの自分が、
20年以上同じ街に暮らすなんて、
人生なんてわからないものですね。

全国を旅しているわけではないので、
まだ見知らぬ終の棲家を探せることに期待しながら
これからも旅(個展)を続けるつもりです。

名古屋展からの帰りに寄った岐阜市も僕の大好きな街。
用もないのに、
ついつい足が向いちゃいます(笑)

つい先日も、
お世話になっている眼鏡店
「ベロオッティカ」でめがね談議し、
古道具「本田」に。

パリで集められた生活具が醸す物語を

「本田」の空間に落とし込んでいく
お二人の感性や助言に導かれるように、
僕自身も「本田」での企画展で
自らの木工の殻を脱ぎ捨ててこれたのかもしれません。

「本田」の日常が綴られる
「noir et blanc(白と黒の断想)」の中でも、
 下記タイトルで
 これまでの企画展を紹介してくれています。
  ◎「作家性と無名性」
  ◎「山本美文展」
  ◎「白漆のマチエール」
  ◎「岡山より」





サラサラと描かれた
ぶどうの絵に魅せられて

今回「本田」から持ち帰った
ワイングラスは、
以前買い求めたデキャンタに合わせてみるつもりです。



修繕できる家具

名古屋から帰った翌日、
境港「一月と六月」の店主が、
修繕し終えたばかりの家具を引取りに来られました。


「お仏壇の前に置く経机を
 軽やかなデザインで仕立ててほしい」
 との依頼に応えて作ったものでしたが、
 一部焦がしてしまった天板に鉋(かんな)をかけ、再塗装。

栗の無垢材なので、
鉋がけさえすれば元通りの姿に。

(合板は、修繕がききません)


組み手は「板さしの蟻組み」ゆえ、
緩む心配もありませんが、
不測の事態に対応できる(修繕できる)無垢材を選ぶことが
作り手の良心だと思えちゃうのです。


ちょうどお昼になったので、
この日は、工房から2㎞ほど離れた場所のうどん屋に。
本場・香川まで行く(瀬戸大橋を渡る)と、
一杯数千円のうどんになっちゃうから~~笑
 
でも、僕はここの「しょうゆうどん」が大好物!

汁系のうどんなら他店を勧めますが、
麺を愉しむなら、
ここの「しょうゆうどん・冷」!!!

トッピング付で、確か290円か300円?
店主は、讃岐で修業されたのかな?
看板には「本場さぬきうどん」と書かれています。

一般的に、「さぬきうどんは、腰が命」と言われますが、
それは大手チェーン店の「うたい文句」に過ぎません。

本当に熟練した職人の打つうどんは、
表面がもちっと柔らかく、
遠くで腰の感じられるような
「のど越し」と「噛み心地」を備えた麺になります!



うどんの前に、
おでんをつまむのも「さぬきスタイル」。

「静岡おでん」に「名古屋おでん」。
ここのところの個展の旅で、
パンチのあるおでんが続いていたので、
地元のおでんに寛ぐ木工。

先日寄った市内のおでん屋では、
「ワカメ」
「トリガイ」
「ツブガイ」
「ヤリイカ」
 等々の具が入ってることに驚かされたばかり。

ワサビでいただくおでんは、新鮮でした~~~















プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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