addition neuf(静岡市)個展のお知らせ

山本美文展「白のマチエール」

2017.3月25日(土)-31日(土) ※火曜日(28日)は、定休日
     11:00~19:00      初日(25日)在廊予定

     [場所] addition Neuf(アディション ヌフ)   
        静岡市葵区鷹匠2-10-25
         054-221-4110        
           a- neuf.com


 DM(案内状)を作るにあたって、
 プロフィール(経歴)の掲載を依頼された時、
 作家歴や賞歴を羅列した案内状って
 なんだか「昭和の作家」っぽいし、
「先生」と呼ばれるような作家になることだけは避けたい(笑)
 という思いから、
 それとなく自分のことを伝える文面で勘弁してもらって、
 NeufのHP用には、以下のような略歴を綴ってみました。

        「白のマチエール」
オスカーピーターソンの〖自由への讃歌〗を初めて聴いた10代の頃の心持ちが、
僕のものづくりの支えです。20代に出会った画家のアトリエで自分の夢を語った日から
掌(てのひら)にその小さな夢を託してきましたが、僕の握る漆刷毛が、絵筆のように
走るまでには時間がかかりそうです。〖夢のつづき〗は、まだまだこれからです。






















































伊藤まさこ・著「白いもの」(マガジンハウス)で
紹介していただいた杓文字(しゃもじ)も数本準備しています。
写真左手のしゃもじは、
わが家の30年選手(最初はシンメトリーだった)。
使っているうちに「ちびた」必然の形から型にとり、

より優しい柄のかたちに仕立てています。













お雛様と方言

亡き祖母の口癖、
「亀石さん(夏まつり)も満潮祭じゃけぇ、
 祭り事は旧暦のままじゃ」
 
 明治生まれの祖母は、
 話す言葉(岡山弁)まで旧暦のようだった。
 極めつけは、
 地名まで方言風に、
「西大寺(さいだいじ)に行ってくる」を、
「せーでーじにいってくらー」と言って出掛けた(笑)

 このあたりではお雛様も4月、
 ゴールデンウイークを過ぎた空を
 鯉のぼりが泳ぎます。

 わが家のお雛様は、


 倉敷在住の組み木作家・小黒三郎さん
 デザインの「花ごろも五段飾り」。




桃の花の内裏さま、
桃の実のぼんぼり、
椿の花の三人官女とききょうの花の五人囃子、
かぼちゃの実の三仕丁と 
さくら・たちばな・ゆきのしたの花の随身と
桜の花の御所車をひく蜜蜂。

花の実と虫たちのくりひろげる雛祭りは、
4月3日まで。



服部恒雄回顧展・牛窓

牛窓オリーブ園内の通称「赤屋根」は、

「オリーブの画家」とも呼ばれていた佐竹徳画伯の
アトリエとして使われていた建物で、
赤い屋根に赤い土壁が印象的な平屋。

       「赤屋根」から望む瀬戸内海




「この建物内の空間をギャラリースペースに利用したい」
 といった内容の相談を受けた時、
 下手に手を加えず、
 ありのままの姿を残す形での修繕を提案しました。

「お洒落」なんかを超えた美しさがそこにあったから。

綺麗に始末されがちなコンセントは、
知人の電気屋さんに頼み、
「ふつ~う」のものに。
土間は、
建築雑誌「コンフォルト」の編集長から
紹介していただいた地元の左官にお願いして、
ワークショップという形で
たくさんの人の手から仕上げてもらいました。

汚れていた壁は、
山頂パレスの松本店長と
埃まみれになりながらの掃除、息苦しかった!(笑)

内装が整い、こけら落としは、
日本オリーブの会長さんの展覧会でと
話も進んでいた矢先の訃報・・・(残念で致し方ありません)

もう30年以上前になるのでしょうか?
「瀬戸内国際芸術祭」のさきがけとも呼べる
「牛窓国際芸術祭」を開催された服部会長の業績(街と美術の融合)が、
 町家をギャラリーに見立てる「牛窓クラフト散歩」へと
 僕を導いてくれました。

 
 
 
牛窓を愛し、
オリーブ園とともに生きた
故・服部恒雄回顧展が
2月22日(水)~26日(日)の5日間開催されます。


服部会長の画業に触れ、
あらためて
純粋に創作を楽しむことの尊さを思い知らされました。



素晴らしい展覧会です。
でもやっぱり、
ちょっとお茶目なところが
絵からもみてとれますよね~ (僕だけなのかな~?)




是非、この機会に足を運んで
服部会長の画業からその生き様を偲んでください。


「服部恒雄回顧展」


【メイン会場】は、永楽会館、
【サブ会場】が、ガレリア「赤屋根」


〖同時開催〗
 2月19日~4月2日「生誕120年 佐竹徳展ー坂手得二・服部恒雄とともに」
 瀬戸内市立美術館 ※市立美術館招待券をメイン会場で配ってもらえます。










「第3回牛窓クラフト散歩」のリーフレット

2017.4月15日(土)・16日(日)に開催される
「第3回牛窓クラフト散歩」のリーフレット(チラシ)が
出来上がりました。
県内のギャラリーやカフェ他各所に置かせてもらいます。



表紙の絵を描いてもらった
東京在住の画家・鈴木恵美さんには、
同期間中「鈴木恵美の描いた光景」と題した原画展もお願いすることに。

まるで、瀬戸内海に点在する島のように描かれた家々は、
移ろいゆく時代の波にさらされた牛窓の街並みに現存する
「変わらないもの」への憧憬や美しさへの祈りが
込められているようにも映ります。

会場には、原画に至るまでの下書きやスケッチなども展示してもらい、
創作過程で直面する様々な葛藤の中に光を探る
表現者(画家)の日常も併せてご覧いただけます。

鈴木恵美(略歴)
     1984 静岡県浜松市生まれ
     2005 名古屋造形芸術短期大学部・卒
     2007 渡英
     2009 東京都へ移住

    (works / 装画・扉絵)
     浅田次郎・著「獅子吼」別冊文藝春秋 扉絵
     岡本かの子・著「家霊」文庫カバー
     椎名誠・著「EVENA」装画(文藝春秋)
     ほか  





無作為

「きれいに彫ろう」と意図した瞬間、いやらしく見え始めるノミの痕(あと)。

「これもできそう、あれもできそう」と欲張った時から色あせていく漆の表情。




製作に向かう時は、
只只 夢中になれる時間の中に身をゆだねてみる。
「何も考えないこと」さえ忘れてしまうほど夢中になれる時間が、
ノミにリズムを与え、無作為を刻んでくれる筈(と信じて)。



     モノづくりの難しさは、
     自分の中にある心の問題に他ならないから、
     時間をかけて心を磨く以外に手立てがないことも、
     木工が教えてくれた。












  「木を使ってもの(うつわ)を作る」と言いながら、
   実は木に育てられてきた自分があるのです。












プロフィール

HN:
山本美文アトリエ
性別:
非公開

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